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カテゴリ:音楽
先日、津軽民謡の第一人者であった市川竹女師を偲ぶ演奏会を見ました。 和太鼓の林英哲氏の出演もあり3時間半以上の盛りだくさんの内容でした。 私は竹女師を存じ上げませんでしたが、当日の出演者の方々からその偉大さを感じ、 当日が発売日という出来たてホヤホヤの「竹女ぼさま三味線をひく」という書籍を買い求めました。 仕事で地方を回っている間に読んだのですが、 現代からはおよそ想像もつかないような厳しい現実を乗り越え、 芸の道を貫き通した方でした。 そしてその根底に流れるものは「報恩」。 育ててくれた親、芸を仕込んでくれた師に対して 恥ずかしくない生き方をする強い意志は全てそこから来ていたと思います。 最近日本人のモラル低下が目立つようになってきましたが、 最大の原因は生活から「感謝」が抜け落ちてしまった事だと思います。 お金さえ出せば物質的な欲求はたいがい満たされますし、 一人でも何不自由なく暮らしていける便利な世の中です。 しかし物質的に、金銭的に豊かになり 暮らすこと、生きる事が当たり前の日常になってしまうと 人に感謝する、ものに感謝する機会が少なくなります。 残念ながらそういう生活に長い年月を過ごしてしまった人には それを改めることはかなり難しいと思います。 しかし小さなお子さんをお持ちの方には 是非とも簡単に物が得られるような経験をなるべくさせず、 どんな事でも自分で苦労して獲得する事を学ばせてあげていただきたいのです。 人のありがたみ、物のありがたみがわかれば自然と「感謝」の心がはぐくまれます。 竹女師は感謝の念を300年前の先達にまで送っています。 自分が今あるのはたくさんの先達や日々支えてくれる仲間がいるからです。 感謝の上に自分の芸の道を追求された市川竹女師は幸せな人生だったと思います。 私も後に続こうと思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006.08.06 13:48:21
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