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カテゴリ:読書
『少し変わった子あります』 森博嗣・著 <137>
![]() 森博嗣さんにしては、ちょっと変わった作風。 これがまたなんとも、不思議なお話。 知人に紹介された料理店は、いつも開店する場所が違う。 予約を入れるとタクシーが迎えに来て、その場所へ連れていかれる。 そこへはひとりでしかいけない。 ただし、お願いをすると一緒に食べてくれる女の子がつく。 ただ黙って食べる子。 夢のような話しをする子。 毎回違う子。同じ子が来ることはない。 そしで、どの子も、食べ方がとても美しい。 でも、この店を紹介してくれた知人は、行方不明になっている。 ほんと「変な子」ばかりです。 こんな文の中にも、森先生らしい言葉がたくさん。 静けさとは、すなわち「無関係さ」の蓄積であって、 数々の影響を丹念に1つずつ遮断して ようやく最後に得られる「孤立」である。 なんか難しいけど、いい言葉。 「失ったものを無意識に求めている、 しかし、どうせ同じものは二度と手に入れない。 追い求めても、違うものを掴まされて、 そのことで反対に、大切な思い出に傷つくことにもなるだろう」 あぁ、わかる気がします。 「今思うと、やはり、家庭を持つ事自体が 僕には重荷だったんだと・・。 重いものを持って飛んでいるから、 バタバタと必死に翼を動かさなくちゃいけない。 それを傍から観れば、あいつはよく頑張ってる、なんてなるわけです」 そういう人っていると思う。 うん、すごい言葉。 「重い荷物を背負って先を急いでる人間には、 地面に埋まりかけている宝石はけっしてみつけられない」 おーー! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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