カテゴリ:ペット
新婚時代(猫たちを保護し始める前)に、2頭のペットと暮らしたことがある。
最初のコは、ハツカネズミの「バタータ」。 このコを何故飼い始めたのか、どこで買い求めたのか、今では思い出せないが、 ペット不可のアパートで、静かで、大家さんにバレずに飼えるので購入したのだと思う。 ハツカネズミは確か1年ほどで天国へ行ってしまった。 懐くことはなく、でも生き物が家にいるだけで、私には嬉しいことだった。 次に飼ったのは、ウサギの「デデさん」。 このコは新宿の路上で「大きくならないテーブルウサギ」として売られていて、 2000円だったと記憶している。 衝動買いだった。 掌に乗るくらいの小さなウサギ。毛色は茶色。眼は黒くて、とてもかわいらしかった。 ケーキを入れる箱に入れてもらって連れ帰ったところ、 夫も動物好きなので、すぐに木材で小屋を作ってくれた。 彼はモルモットを飼ったことがあるそうで、 げっ歯目の動物は歯が伸び過ぎるとエサが食べられなくなり、命に係るからと木の枝も入れてくれた。 でも、デデさんはその木の枝より、木でできた家を齧るようになり、 小屋の前に「腹が減っても家食うな」と標語を書いて掛けたっけ(o^―^o)ニコ ちなみに「大きくならない」は全くのデタラメで、デデさんは普通の子ウサギ。 すぐに大きめのオス猫と同じ程のサイズ、6㎏にもなった。 当時はそういう怪しい商売があちこちであった時代だったのだ。 デデさんは、私や夫がいる時は、小屋から出して部屋の中を自由に走らせた。 ご飯はラビットフードなどなかったから、定番の人参やキャベツなどの野菜。 そういえば、青菜がとても高かった冬があり、 八百屋さんで、捨てる野菜をいただいたことがあったっけ。 お腹が弱い様子だったので、彼がビオフェルミンを与えていたのも覚えている。 ウサギは頭が良くないと聞いていたが、それは話掛けが足りないからだと少しずつ理解した。 なぜなら動物病院へ連れて行く際に動物用のキャリーバッグを床に置くと 自分からちゃんと入ったし、「出て」というとすぐに出るようにもなったからだ。 動物病院へ初めて連れて行ったのは、健康診断のため。 当時は自由が丘に住んでいて、まだ獣医さんの知り合いがいなかった。 ボランティアで祐天寺にあった「ミーナ・キャットバンク」で保護猫の世話をするようになり そこでお世話になっていた学芸大学駅傍の動物病院へ連れて行くことにした。 ところが、その獣医さんもウサギのことを大学でまったく学んではいなかった。 というより、昔の獣医学科は家畜のことを学ぶ場で、犬猫等の愛玩動物を学ぶことは皆無だったそうだ。 ある時、デデさんの喉元に腫瘍のようなものができ、慌てて連れて行った。 すると先生は「困ったなあ。原因も治療法もまったく判らないよ」 しばし考え、やがて先生はポン、と手を打った。 「そうだ! 大学の友人に長野に帰って動物病院を開いているのがいる。彼に聞こう」 ところが、電話をしながら、先生の顔が徐々に雲っていってしまった。そして… 「彼の地元ではウサギは食べるけれど、ペットにしている人は皆無だそうだ」 と驚く返事がなされた・・・。もう40数年前のことだ。 その後、運よくもデデさんは回復し、そのまま6年ちょっと生きてくれた。 最期は徐々にご飯を食べなくなり、心配でタクシーで病院へ連れて行く途中、亡くなった。 今では実に色々な種類のウサギがペットとして飼われているが、 あの時、露店で売られていたデデさんは、私にとっては初めての家族ウサギさんで、 そして最後の家族ウサギさんになった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023年08月04日 04時20分06秒
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