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フランソワーズ・アルディさんが今月11日に亡くなった。
大好きなフランスのシンガーソングライターのひとり。 日本にシャンソンブームが起こったのは、1957年くらいからだと聞く。 モンタンの「枯葉」やジローの「詩人の魂」、 ピアフの「愛の賛歌」などは今でも日本人歌手に歌われ続けている。 でも私がよく聴いてきたのは、その後の世代。 「セルジュ・ゲンズブール世代」といってもいいであろう時代の楽曲だ。 フランソワーズ・アルディさんも、その中のひとりで、 「さよならを教えて」が日本でも大ヒットした。 ただ私としては(ゲンズブールの作品ではないが)「水の中の環」がとにかく大好きで、 この曲を聴くと、今でも果てしなく次元の違う世界に誘われる。 (ちなみにF・アルディは自作の曲も歌っていた) ゲンズブールは類いまれなる才能で、 当時のフランスでトップクラスだった女優さんたちに次々と自身の曲を歌わせ、ヒットを生んだ。 例えば、彼の妻だったイギリス人のジェーン・バーキン。 そう、エルメスの「バーキン」は彼女に贈られたバッグで、それほどの人気をパリで得た人。 女優シャルロット・ゲンズブールは、このふたりの間に生まれた。 他にはイザベル・アジャーニもそうだし、カトリーヌ・ドヌーブは彼の恋人でもあった。 ジュリエット・グレコや、フランス・ギャル、ブリジット・バルドー、ミレイユ・ダルクetc.etc. ゲンズブールが女優たちに歌わせた数々の楽曲はどれも魅力的だ。 わざと下手に歌わせて、個々の魅力を牽きたてた、とも言われている。 以前にも書いたが、私がいわゆるシャンソンの世代ではなく、その次の世代曲を好きになったきっかけは BARBARA(バルバラ)の「黒いワシ」をボンヌのアルバイトで通っていたフランス人家庭で聴いたこと。 シンガーソングライターである彼女の、反戦歌も含む詩の世界に魅了され、毎日のように聴いたっけ。 今でも時々、無性に聴きたくなる、これらの曲。 誰でもそうだろうが、感受性がとても強かったと思われる少女期に、 毎日のように聴いた、聴き込んだ、歌は、その時の心の在り方を抱きしめて人生の後半へと運ぶ。 今日はゲンズブールが女優たちに贈った曲が網羅されているCDを聴きながら、 あの頃の自分を振り返っている。 根拠がないにも関わらず、変に自信があった部分(無知ゆえに)と、 相反する、とてつもなくネガティブな部分と、その時の自分しか見えなかった若さゆえの我が儘さ、と。 若い(幼い)ってそういうものだろうけれど、滑稽なほど痛い自分を今更ながら後悔してもいる。 それでも、あの時代の自分に嘘はなく、そして 未熟なりに輝いてもいて、決して嫌いではない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024年06月30日 12時30分06秒
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