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 「ジョセフ・フーシェ」(シュテファン・ツワイク著、岩波文庫)があまりに面白かったので(そのことについては、以前に、書いておきました)、同じ著者の、「マリー・アントワネット」(上・下)も読みましたが、これも面白い。

 それで、特に気に入ったのが、岩波文庫の(下)の表紙のスケッチで、(上)のマリー・アントワネットの肖像画とは対照的な絵です。

 本を買うと、まず最初に、服装は貧しいですが、口をぐっと引きしめ、胸をそらせて、人間としてのプライドを示すこの(下)の表紙の絵に、ひきつけられます。


 このスケッチは、パリに観光旅行に行くと、大抵行くルーブル美術館の、これまた、否が応でも目に入る「ナポレオンの戴冠式」を描いたダヴィッドの作品です。

 このダヴィッドについて、ツワイクは、そこまで言うか、というくらいひどいことを書くと同時に、画家としての、腕前をほめています。

 「権力に媚びる永遠の変節者の典型、勝利者にはへつらい、敗者には仮借ない彼は、勝利者の戴冠式を描き、敗者の断頭台途上の図を描くのだ。今マリー・アントワネットを運び行く同じ皮剥人の馬車の上から、のちにダントンもまた彼の姿を認めて、そのあわれむべき根性を知りぬいているダントンは、「下衆!」の罵言を彼に浴びせかけて、この卑劣漢を鞭打ったのである。
 しかし、下衆な魂と卑怯な憐れむべき心の持ち主であるとはいえ、この男は素晴らしい目と間違いのない腕の持ち主である。断頭台におもむく王妃最後の姿を彼はすばやく写生して恐ろしいほどすばらしいスケッチとして不朽に残したのであり、薄気味悪いぐらいの力をもってこの世に生ける姿をまったく熱烈に描きとめられた女は、もはや美しくはないが、しかし昂然たる年老いた王妃の姿である。」

 それまで、ちゃらんぽらんに生きてきたマリー・アントアネットが尊厳を示すことができたように、彼女と同じような状況になれば、人間の尊厳を示すことができる人は少なくはない、という気がします。

 「本当かな?」と思う方も多いと思いますが、これは、まあ、私のこれまでの経験からです。

 むしろ、少ないのは、コンシェルジュリーからコンコルド広場へ運ばれるマリー・アントワネットのような人に、気高さを認めることができる人の方です。

 ダヴィッドが、マリー・アントワネットの内面まで意識していたかどうかは、分かりませんが、「ナポレオンの戴冠式」で、「くそ面白くもない」というようなローマ教皇の表情も、きっちり、見逃さずに描いてるところからみて、私は、別に、ダヴィッドから金をもらっているわけではありませんが、少なくとも、絵画に関しては、まったくの変節者、「勝利者にはへつらい、敗者には仮借ない」、ということではないようです。





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最終更新日  2009年11月22日 13時15分17秒
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