チューリップを文学的に読み解く、その58「ぼくがつくった愛のうた(いとしのEmily)」
ぼくがつくった愛のうた 財津和夫作詞・作曲、メインボーカル姫野達也(Lovely Emily, Uh La, La , La, La, LaLovely Emily, Uh La, La , La, La, La)ふたりの愛がある限り 地球は回り続けるどうしてって聞かないで こんなに愛しているのに(Lovely Emily, Uh La, La , La, La, LaLovely Emily, Uh La, La , La, La, La)君にやさしさある限り 星は光り続けるどうしてって聞かないで こんなに愛しているのにとてもありふれた言葉だから 笑ってごまかしたけど心の中でもう一度言おう 世界でいちばん素敵だと今まで君が愛してた 小さな木彫りの人形も幼いころのおもちゃの箱に そっとしまってしまいなさい(後略)-------------------------------------------------この後も珠玉の歌詞が続きますので、ご関心のある向きは是非CDを御購入ください。この曲も「心の旅」同様、いきなりサビから始まる。「心の旅」で大ヒットを放ったチューリップは柳の下のドジョウを狙い(もっともこれはチューリップが狙ったのかレコード会社が狙ったのか定かではない)、松本隆作詞・財津和夫作曲でやはりサビから始まる「夏色の思い出」という曲を出す。当時チューリップと仲のよかった つのだ☆ひろ は「夏色の思い出」を聞いて、「この野郎、売れ線狙って日和やがったな!」と激怒したという。僕にとってもそれは腑に落ちる話で、確かに「夏色の思い出」は松本隆を作詞家に起用し、売れ線を狙った。チューリップはそれまで作詞を外部者に頼むことはなかったので、日和ったと見られても仕方なかったといえる。そして「夏色の思い出」に連なる曲がこの「ぼくがつくった愛のうた」。作詞は財津さん。これはつのだ☆ひろに対する財津さんからのアンサーソングだと思う。曲も歌詞もすごい。ふたりの愛がある限り 地球を回し続けるのです。まるで世界は二人のために、みたいな。恋に落ちた二人は そうなるもんです。そしてこの男は女に言う。「今まで君が愛してた 小さな木彫りの人形も幼い頃のおもちゃの箱に そっとしまってしまいなさい」。要はこれは、「僕がこれから君を愛し続けるし、守り続けるから、君が幼い頃から愛し続けた木彫りの人形に僕が代わってあげるよ。僕は君に対して一生責任をもつよ」という宣言。こんなことを言える男は滅多にいないと思う。