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これまで,リマやプレイアートによるHOゲージの0系新幹線や,東ドイツZEUKEによるTTゲージの0系新幹線,シズキョーの新幹線プラモデル(HO,TT,OOO),多田製作所のロコメートひかり号やサクラのパーコンひかり号(いずれもNゲージ)などをご紹介してきました。 今回は,0系新幹線ではありませんが,そのプロトタイプとなった1000形電車のHOゲージを取り上げたいと思います(新幹線開業前に製作された模型・玩具には,1000形電車をベースとしたものや,1000形の先頭部をクロ151パーラーカーと合成したものがまま見られました)。 ミニカーなどの輸入で現在も知られる國際貿易は,ARNOLDのNゲージ,ROKALのTTゲージなど,鉄道模型の輸入も手がけていました。 そんな國際貿易が発売した日本型が,プラ製のHOゲージ新幹線。先頭車2両のセットで,箱には1000形B編成の写真が印刷され,「The New Tokaido Line! PROTOTYPE PASSENGER CARS」と記されていました。ライトの形状などからしても,0系ではなく1000形B編成を模型化したことがわかります。1000形電車の鉄道模型としては,Nゲージではマイクロエース,HOゲージではかつて宮沢模型が製品化していたことが有名ですが,このモデルは取り上げられることが少ないようです。 (RM MODELS1996年6月号より) 「日本が世界に誇る直流HOゲージ≪夢の超特急≫が生れました 東京-大阪3時間のスピード感を再現した≪夢の超特急≫鉄道模型 ボディからスカートの部分まで スケールに忠実なプラスチックとダイカスト製 特殊塗装の美しい仕上げ モーターは小さくても強力 使用電圧は12ボルトから18ボルトまでのすぐれた耐久力を持っています 使用トランスは模型用トランスホーマ直流でOK お求めは お近くのデパート 有名玩具店で・・・・・・」 また,松本吉之氏は,RM MODELS1996年6月号「鉄道模型考古学」でこの模型を以下のように紹介されました(単行本には掲載されていません)。 「夢の超特急模型と説明書にあるのが作られた時代を偲ばせます。1/90 HOと明記され、最小回転半径とか模型の重量から消費電力、適正電圧、動輪上重量、回転比、果ては最高速度83センチ/sとまでスペックを表示しているのは、これが鉄道模型を発売する時のメーカーの本来あるべき姿勢ではないのか?と考えさせられてしまいます。もっとも、記憶では確かこのメーカーはレーシングカーも手がけており、この姿勢が当たり前と考えていたのではないかとも思います。ボディはプラで、スカートとボディスソの青い部分はダイキャスト、床板も一体鋳造です。本物があっさりしていますので、モデルも別パーツのディテールと言えば金属パンタとアンテナくらいしかありませんがイメージは悪くなく、確かに当時の少年のあこがれモデルであったと思われます。平ギアで下に落としてからウォーム+スパーで回す動力伝達で、大変重量があるため機関車っぽい音と走りをしています。同社としては、鉄道模型の分野でプラをメイン材料にした自社製品が、どのように受け入れられるかを試す意味で作った、まさに試作電車だったと言えるでしょう。」 (東京玩具商報1964年12月号より) (RM MODELS1996年6月号より) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2019.07.15 22:47:32
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