ことりのそら

少し前にネット媒体ロールプレイングゲームのサイトを覗いたら、
大好きなマスター様のシナリオが出ていた。
しかも、人助けのお話。こうなると、私が飛びつかないわけがない。
わーい、参加受付が始まったら、真っ先にすっ飛んでいくぞ、なんて思っていた。
そして今日。また同じところを覗いてみると、他の方のシナリオも増えていた。
それを見て、思わずうめき声を上げてしまった。

以前関わっていた話の続編が出てるよー。
しかも、これまた命に関わる人助けだよー。
両方とも、参加したくてたまらないよー。
だけど、時間が思いっきり重なるよー。
いくらゲームの世界でも分身の術は使えないので、
１人のキャラクターが同時に２つの話に関わることはできないのだ。

最初の話は、人探し。
残された時間はあまり長くなさそうなお婆さんを、
小さいころ生き別れたきりの子どもに一目会わせてあげたいと、
そのおばあさんに育ててもらっている幼い子が助けを求めてる。
生き別れた子の名前も年齢も、当然所在も皆目わからないんだけど。
でも、このままではおばあさんはどんなにか去りがたいだろうし、
血のつながりがないとはいえ唯一の身寄りを、貧しく幼い子どもが失ってしまう。

もうひとつの話は、訳あって病弱の身となり
このままでは命の危うそうな人が、最後の望みをつないで
奇跡をもたらすという泉に身を清めに行こうとしているんだけれど、
そこは邪悪なものから泉を守るための番人がいて、
しかもこの人の抱える『訳』が、事象だけ取り出すと
その人が邪悪なものだと判断されてしまいかねないことなので、
何とかして無事泉に入れてもらえるように助けてほしいという話。

ちなみにこの人は、いつぞやここにも書いた、内乱を鎮めに行った
（で、結局かなうことなく修羅場から逃げ出すことになった）話で、
何とか武力衝突を止められないかと、自らの地位も命さえも投げ出そうとした人。
この人の、ほとんど決死の願いを受けて出かけていって、
なのに結局その人の眼前であまたの血が流されることになってしまった事実は、
今でもとても痛い記憶として、私のキャラの心に沈んでいる。
ついでに、『その人が神の前に邪悪でないこと』を証明できる魔法を、
私のキャラは使えるのだ、これが。本来の使い方じゃないんだけど。

人探しの話に関して言えば、うちのキャラは人探し自体の役にはあまり立たないかも。
でも、ひとりの人が安らかに神の御許に旅立てるように、
そして、残された子どもがこの先無事に生きていけるように、
できることはいろいろあると思うし、
なんと言ったって、その日の糧にも事欠いていそうな子どもが
身寄りのない自分を育ててくれた老人の最後にあたって願うことを聞いて、
うちのキャラが見てみぬ振りをするわけがない。

私のキャラは２人いるから、１人ずつを振り分けることは可能なんだけれど、
２人のキャラはいろんな意味で正反対で、この２つの話は、どちらも
おとなしい聖職者のキャラとして関わりたい話なのだ。
だけどあまりに見事に日程がぶつかりすぎていて、両方に絡むことは不可能。
だああああっっ、何でこのタイミングなんだー、と盛大に遠吠え。
でも、いくら吼えても、こればかりはいかんともしがたい。
２人のキャラでそれぞれに関わるという選択肢も含めて、どれかを選ばなくては。

あああああ、また出た、大得意の選択問題。あああああ。
本気で頭を抱え込みつつ、
なんというか平和な話だと、苦笑しましたとさ。