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テーマ:観劇(160)
カテゴリ:観劇
ジャコモ・プッチーニ/歌劇『ラ・ボエーム』 東京芸術劇場 (geigeki.jp) 東京芸術劇場での「ラ・ボエーム」を見てきた。 大いに満足、素晴らしい舞台であった。 予習を兼ねて自宅で U-NEXT「オーレン&トリノ王立歌劇場~プッチーニ:歌劇“ラ・ボエーム」 を見ていたので、ストーリーも舞台装置も予測できた。 見る前に気がかりだったダンサー。この4人のダンサーがとてもいい。歌舞伎の黒子のように小道具などの出し入れをするだけでなく演舞をもって登場人物たちの心象風景や場面の情景を表現していた。ゆっくりとたおやかな動きは心のひだのように伝えわたってくる気がした。このダンサーの素晴らしさは演出した森山開次がカーテンコールで4人と前に出てお辞儀をしたことからわかるように重要な演出であった。 第一幕でストーブに火をつけるシーンのダンサーとの同調がすごかった。異色の演出だった。 ロドルフォを演じた工藤和真の朗々とした歌声が素晴らしく、カーテンコールで指揮者・井上道義がねぎらい讃えた行動にも表れていた。圧巻の一幕であった。 第二幕は休憩を挟まずの場面転換。プロジェクション・マッピングの照明の中、転換していく模様が舞台(演劇)となって良かった。この第二幕の大勢での合唱。ネズミ姿の子供たちのにぎやかさがクリスマス感を出していてとても良かった。地方ではその地方の合唱団とジュニア合唱団が参加されるようで、地域でのオペラの振興に力強い一助となる素敵な演出と思えた。ムゼッタ(イローナ・レヴォルスカヤ)の衣装はすばらしく、鼓笛隊の衣装もとても良かった。 第三幕は小道具演出を省いたところなどが散見されて残念に思えたが大局に影響はなく、フードを被った人たちが多く点在していた意図はわからないが斬新な演出であった。 終幕となる第四幕では冒頭の第一幕でマルチェッロが描く絵(紅海)を観客に見せていたのに、ここでのキャンバスは客席に背を向け絵を見ることが出来なかった。しかし、あとでマルチェッロの歌唱中にダンサーがキャンバスを回転させ絵(ムゼッタ肖像)を見せたことはみごとな演出だと思った。どちらの絵も演出の森山開次が描いたのだろうか。 暗転で終わる舞台は悲しく侘しいものである。 しかし、カーテンコールは壮観であった。 出演者すべてが舞台上に上がり、次々とお辞儀をする間だけでなく、指揮者・井上道義、演出家・森山開次らが登場後も延々と拍手は続き、出演者がはけて、再登場して去るまで5分以上、ひょっとすると10分以上拍手は鳴りやまなかったかもしれない。 長年見たかった「ラ・ボエーム」を見られて良かった。しかもとても素敵な演出でみごとな演奏、みごとなダンサーたち。字幕はおかしなところもあったけれど、いい舞台だった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024.09.21 20:12:05
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