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超時空自転車通勤 ~湘南編~

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2010.07.23
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カテゴリ:健康チェック
 NHK『めざせ!会社の星』収録参加から、わずか6日後、母親が息をひきとりました。母が、番組を視聴することは叶いませんでした。

 spO2
spO2 posted by (C)nekki5149

 <TV収録から病院へ直行>

 「NHK『めざせ!会社の星』収録で自転車通勤をアピール」にてお伝えしたように、番組の収録が終わると、そのまま母親の入院している病院へ向かいました。収録は私の実家に近いNHK名古屋スタジオでしたので、電車一本で病院まで行けました。
 
 <余命は数日>

 母親の病状は、刻一刻と進行しており、この前日に家族に行われた医師の告知では、既に肺がん進行により、肺が破れ、気胸を起こしており、数日から1週間程度の余命との事でした。

 私は到着したその足で、紙面にまとめられた診断結果を見ることになりました。母親は病状が刻々と進行している事、空き病室が無いという事情により、病室を転々としており、本来の呼吸器系内科の個室に移るまでに他科の病室を2回、呼吸器系内科の病室を2回移動しており、引っ越しがとても忙しい状況でした。

 この頃には、自分で起き上がることも寝返りを打つこともできず、常に介護が必要な状況で、脳転移した腫瘍が多数あるため記憶は不確かになっていました。

 ただし、母親にははっきりと意識もあり、息苦しさも感じないとの事で、じっとしていれば、まだ生きられるのではないかと思えました。

 私がNHKの番組収録に参加した事を話すと、喜んで番組を視たがりました。 
 放映は、1か月半以上先の9月5日であり、医師から宣告された「数日から一週間」の余命からすると、視聴はとても無理ですが、介護する者が努力すれば可能なのではないかと淡い期待を抱いてしまいました。

 昼間は私が、夜は父親が傍に付き添って24時間の介護をすることにしました。


 <末期がんの食事>

 病院食は全く受け付けないため、食欲自体も全く無いかと思いましたが、カップヌードルの麺を与えてみたところ、おいしいと言って少し食べました。

 しかし、この時、すでに飲み込む力はほとんどなく、魚などを小さくして食べさせると、食道には行かず、気管支の方に入ってしまっていることを看護師から告げられました。

 どうしても食べたければ、とろみをつけて、本人が食べる意思があるものだけを少しづつ与えるようにとの事でした。

 それから、数日で、首すらも動かせない状態になりました。それでも、スイカやメロンを欲しがりました。

 父親が、母が生前お世話になった方々に電話をかけたところ、様々な方がお見舞いに来て下さり、近所の看護師をしている方の差し入れてくれたゼリーを食べました。

 とても暑い夏だったため、体が全く動かせない母も苦痛が大きかったと思います。そんな中、流動食を凍らせて作ったシャーベットを一生懸命に食べていました。

 がんの末期に現れる悪液質という症状である、吐き気、膨満感から食べられるものが殆ど何もない中で、懸命に食べて体力を付けようと努力していたのだと思います。

 しかし、体力が衰え、寝たきりなことや、タルセバという分子標的薬の副作用もあり、消化器系もうまく作用せず、食べることにより更なる苦痛を伴う結果になっているようでした。


 <体重減少>

 健康時53kgだった体重も30kgを切るようになっていたと思われます。 
 最後に測定した時は31kgでしたが、これはまだ自分の足で立ち、体重計に乗ることが出来た頃の結果であり、寝たきり状態になった後は、測定はしていません。

 それどころか、ベッドの上で姿勢を変えることすら出来ないため、本来なら、介護する者が、横向きにしたり足を曲げる等しなければなりませんが、知識が無かったため上手く出来ませんでした。


 <血中酸素濃度を監視>

 肺がんは、酸素が十分に血液に取り入れらているかが重要な検査項目になります。

 spO2
spO2 posted by (C)nekki5149

  これは、指先に端子を挟むだけで、皮下血管の血中酸素濃度を測定する装置です。写真では95%と表示されていますが、これは、測定開始直後であったためであり、安定すると99%以上の値が常に表示されていました。


 <胸腔ドレナージ手術>

 母の死の2、3日前に検査室でX線検査したところ、肺が縮小していたため、胸腔ドレナージ手術をすることになりました。

 これは、背中側に穴を開け、胸腔に管を入れて、ポンプで胸腔の空気を吸い出し、肺に負圧をかけて、膨らませるというものです。

 手術前に母の友達が見舞いに来た時には、相手の顔もすぐにわかり、拙いながらも楽しく会話も出来ましたので、比較的落ち着いていた状態だったと思います。

 その後、全身麻酔による手術は無事に済みましたが、母には、手術の記憶も全く無く、背中に管がつながっている事もよく理解できませんでした。

 これによって、肺は少しづつ膨らんでいったようですが、母にとっては楽になったという実感はなかったようです。むしろ、やせ細った体には、負担が大きいのではないかと私は危惧しておりました。


 <深夜の呼び出し>

 私の不安は的中し、手術の日の夜、父親と介護を交代して、実家で眠りについていると、明け方の4時頃に、父親からすぐに病院に来るように電話連絡が入りました。

 私は毎日、自転車で病室に介護のために通院しておりましたので、この日も実家に置いてある折り畳み自転車で向かいました。

 すでに、母は、鼻と口を覆うマスクをしており、高濃度酸素を吸入しておりましたが、激しく口を開けて荒く早い呼吸をしていました。

 私が到着すると、心なしか表情が和らぎ、目をうっすらと開けようとしていました。

 話すことは出来ませんでしたが、私が息をゆっくりと大きくするように言ってみると、呼吸のペースが変わったり、喉の渇きが無いかを尋ねると、苦しい呼吸の中で口から啜ろうとするなどの反応がありましたので、耳は聞こえていたと思います。
 
 腕を触ってみると、信じられないくらい冷たくなっておりました。薬の副作用で皮膚が荒れ、ガサガサになって、一月前は、痛がって盛んにオイルを塗りこんでいましたが、この時には、もう、何も感じないようでした。


 <危篤>

 その後、酸素濃度を調べるため採血を試みましたが、血管に針を入れる事が誰も出来ず、採血専門の看護師によってやっと成功しました。時間をおいて2回採血しましたが、今にも死にかかっている者に針を刺すのは本当に残酷に感じました。

 そして、担当医から、呼吸による酸素の取り入れが十分でないため、心臓が非常に早い鼓動をしており、今日中に止まってしまう旨の説明を受けました。

 父親と私の朝食を病院の売店で購入するため、病室を離れる際に、苦しくなったら「あ」と一言でもいいから声を出すように母に言い聞かせて、弁当を買って帰ってくると、さかんに「あ、あ、…。」と声を上げました。

 いよいよ、酸素が足りなくなったのだと思います。父親が何事か返答し、「ごめん。」と言うと、母親が「あ」と相槌を打ちました。父親は「自分だけ弁当を食べてごめん。」と補足していました。

 そして、私と父が弁当を食べていると、再び、母が「あ」と叫び、急に呼吸が静かになりました。

 母は大きく目を開けており、呼吸が非常に穏やかになったので、むしろ峠を越え、回復しているのかと思いました。しかし、注意深く母の様子を観察していると、目は全く反応せず、呼吸の頻度が少しづつ下がり、一分間に一度程度しかない状態になりました。

 大急ぎでナースコールをしましたが、誰も来ません。何度も何度も、誰か来てくれるように頼みましたが、担当医の女医もすでに説明はしたと言って、全く相手にしてくれませんでした。

 最後に大急ぎで看護師の一人がやってきてくれ、大声で母に呼びかけましたが、母の呼吸は、やがて無くなりました。

 そうして、しばらく後に、ようやく担当医が現れ、儀式のように心音と瞳孔を確認して、臨終を告げられました。

 享年62歳。日本人女性の平均寿命86歳と比べると24年も若くして亡くなりました。

 この時には、ただ、母に「ありがとう。」と、それだけを伝えたいと思いました。

 
  <twitter>

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最終更新日  2012.03.28 00:51:14
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