この法律は、毒物及び劇物について、保健衛生上の見地から必要な取締りを行うことを目的として昭和25年(1950)に制定されました。
毒物、劇物、特定毒物が政令で指定され、これらは登録された者でなければ製造、輸入、貯蔵、運搬、販売などの行為が禁止されています。
この法律で「毒物」、「劇物」、「特定毒物」とは、
《国立医薬品食品衛生研究所 安全情報部データによる》
【毒物】
・別表第一に掲げるものであって、医薬品及び医薬部外品以外のものをいう。
・別表第一の28
「前各号に掲げる物のほか、前各号に掲げる物を含有する製剤その他の毒性を有する物で
あって政令で定めるもの」
【劇物】
・別表第ニに掲げるものであって、医薬品及び医薬部外品以外のものをいう。
・別表第二の94
「前各号に掲げる物のほか、前各号に掲げる物を含有する製剤その他の劇性を有する物で
あって政令で定めるもの」
【特定毒物】
・別表第三に掲げるものをいう。
・別表第三の10
「前各号に掲げる毒物ほか、前各号に掲げる物を含有する製剤その他の著しい毒性を有す
る毒物であって政令で定めるもの」
※ 毒物や劇物の判定は、動物における知見、ヒトにおける知見、又はその他の知見に
基づきます。
詳しくは、「毒物劇物の新判定基準 ※1」をご覧ください。
※1 この判定基準は、薬事・食品衛生審議会の内規です。
※※ 医薬品及び医薬部外品については、薬事法で規制されています。
【毒物及び劇物の表示】
容器及び被包に表示しなければならない事項は、
1.「医薬用外毒物」(赤地に白色の文字)、「医薬用外劇物」(白地に赤色の文字)を表示
2.毒物又は劇物の名称
3.毒物又は劇物の成分及びその含量
4.厚生労働省令で定める毒物又は劇物については、それぞれ厚生労働省令で定める
その解毒剤の名称
5.毒物又は劇物の取扱及び使用上特に必要と認めて、厚生労働省令で定める事項
【貯蔵・陳列場所の表示】
毒物又は劇物を貯蔵し、又は陳列する場所に、「医薬用外」の文字及び毒物については
「毒物」、劇物については「劇物」の文字を表示しなければならない。
【購入する際の手続き】
毒物劇物を購入する場合、下記の事項を記載し捺印した書面(譲受証という)が必要に
なります。
1.毒物又は劇物の名称及び数量
2.販売又は授与の年月日
3.譲受人の氏名、職業及び住所(法人にあっては、その名称及び主たる事務所の所在地)
※ 下記の人は毒物及び劇物を購入することはできません。
・18歳未満の人
・心身の障害により毒物又は劇物による保健衛生上の危害の防止の措置を適正に
行うことができない者として厚生労働省令で定めるもの
・麻薬、大麻、あへん又は覚せい剤の中毒者
このように毒物及び劇物取締法では、人間にとって不都合を引き起こす物質を、毒物(生命に影響を及ぼす物質)と劇物(劇薬と同程度の毒性をもつ医薬品以外の物質)に分類して、その取り扱いを規制しています。