5739567 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

再出発日記

PR

X

全621件 (621件中 1-10件目)

1 2 3 4 5 6 ... 63 >

読書フィクション(12~)

2021年10月18日
XML
テーマ:本日の1冊(3551)


「愛憎の檻 獄医立花登手控え(3)」藤沢周平 文春文庫

藤沢周平は海外ミステリのファンということで知られている。獄医者という、犯罪者を取り締まる側にも被害者にもならぬ、人間として接せざるを得ない立場に主人公を置くという秀逸な設定は、海外ミステリから題材を採ったのではないかと当たりをつけていろいろ検索した。見つけ切らなかった(最近の「プリズン・ドクター」という海外ドラマはある)。70年代までのミステリで、そういう小説が有ればぜひぜひ教えてもらいたい。

違う設定で考えると、日本の時代小説にはお手本がある。山本周五郎「赤ひげ」である。底辺にいる市井の人々と、修行中の医者との組み合わせである。ただし、立花登には赤ひげはいない。ほとんど仁術は行わない。立花登は、弱い者の立場に立つ普通の医者であり、たまたま柔術の達人なので、危ない橋を自ら渡るのである。

お陰で、本書には6篇もの短編があるが、全てあっという間に解決している。文春文庫版の表紙にはそのうちの一編「片割れ」の一場面が描かれているので少し紹介すると‥‥。

登の獄医の非番の日、叔父夫婦が出かけているので羽根を伸ばしていると、急患がやってくる。見るからに人相の悪い男の刀傷の手当だった。その後、登は牢獄で破傷風の男の手当てをする。見ると同じような刀傷で日にちも一致しているし、男の片割れは今は逃走中だという。だとすると、人相を見た登と従姉妹のおちえの身が危ない。登はあの手この手を使い、男の片割れを割り出す。襲ってきた片割れと登は対決をするのだが、思いもかけない事実が‥‥。

表紙の右側にいる娘がおちえである。いっときは不良娘とつるんだり、叔母に習って登を呼び捨てにしたり、どうしようもない小娘だと登も思っていたのだが、1巻目で危機一髪を救って以降かなりしおらしくなる。表紙のように登の指示に従って湯桶や焼酎を持ってくるなど、前は考えられなかった。未だに登は小娘と思っているが、ふと大人の(美人の)顔を見せたりする。この辺りがエンタメ藤沢周平の上手いところ。

犯罪者にはそれぞれの人生があり、藤沢周平は行間にそれらを埋め込む。蓋し、何度読んでも退屈しないのは其の為である。






最終更新日  2021年10月18日 15時45分17秒
コメント(0) | コメントを書く


2021年10月16日
テーマ:本日の1冊(3551)


「夜のピクニック」恩田睦 新潮文庫

「本屋大賞受賞作は全て読むことにしている。受賞作を私は流行小説の窓としている」(「かがみの孤城」)などと宣言したものだから、ちょっと急いで過去の未読作品を読むことを、来年「流浪の月」文庫化までの課題としたいと思う。殆ど映画化されているので読んだ気になっていたんだよね。今のところ読む気のない一作(※)を除いては、あと5作残っている。

※誰とは言わないけど、一人だけ受賞者の中に嫌いな作家がいるだけの話。映画は公開時に観ている。

「夜のピクニック」は2005年、第二回本屋大賞受賞作にして恩田睦受賞一作目。06年に映画化されて、当時高校生の多部未華子が主演した。終始怒った顔をしながら、ラスト場面でとても可愛い笑顔で締めたのが印象的だった(印象的な台詞を吐いた戸田忍役の郭智博くんは今どうしているのだろう)。

進学校の北高は、毎年全生徒一昼夜を歩く80キロの鍛錬歩行祭をする。三年生最後の歩行祭の数人の男女の一部始終を描いた小説である。映画は残念なものに終わったが、小説は傑作だったと思う。やはり読んでみなければわからない。

暫く読んで「恩田睦さん、絶対何処かで一昼夜歩いてみてるな」と思った。関係者の取材だけではわからない、歩いてみた者しかわからない「実感」に満ちていたからである。ところが調べると、彼女の母校の年中行事だったらしい。実際は70キロと少し短いけど、恩田睦は3回も実体験している。

私もある年中行事で、約30数年間、一日で20-30キロ歩く体験(最高は40キロ)を続けてきた。少し彼女たちの気持ちもわかる。準備のための煩わしさや実行委員たちは彼女たちの倍の運動量が要ることも理解している。だからこそ、それに乗っかってただ歩くことが、どんなに貴重な経験なのかも少しだけ知っている。

みんなで、夜歩く。たったそれだけのことなのにね。どうして、それだけのことが、こんなに特別なんだろうね。

あとで振り返ると、一瞬なのに、その時はこんなにも長い。1メートル歩くだけでも泣きたくなるのに、あんなに長い距離の移動が全部繋がっていて、同じ一分一秒の連続だったということが信じられない。
それはひょっとするとこの1日だけではないのかもしれない。
濃密であっという間だったこの一年や、ついこのあいだ入ったばかりのような気がする高校生活や、もしかして、この先の一生だって、そんなそんな「信じられない」ことの繰り返しなのかもしれない。

「つまんねえ風景だな」
融は、そう呟いた。
「だな」
忍も同意する。
何もない田んぼに、屋敷林に囲まれた住宅が点在するだけ。田んぼの中を横断するように、送電線の鉄塔が点々と連なっている。確かに風光明媚とは言いがたい。
「でもさ、もう一生のうちで、二度とこの場所に座って、このアングルからこの景色を眺めることなんてないんだぜ」
忍は例によって淡々と言った。
「んだな。足挫いてここに座ってることもないだろうし」

不良生徒がたむろする怒涛の高校生活を描いた小説よりも、進学校の生徒の青春を描いたこの小説が、先ずは本屋大賞に選ばれたことを私は喜ぶ。






最終更新日  2021年10月16日 06時49分34秒
コメント(2) | コメントを書く
2021年10月14日
テーマ:本日の1冊(3551)


「祝祭と予感」恩田睦 幻冬舎


祝   祭
  
予   感

「祝予」と「祭感」と
読む人もいるかもしれない。
「祝」「祭」「予」「感」と
読む人もいるかもしれない。

記譜のほうを音楽に寄せるんだ
音楽を譲るな
記譜のほうに譲させるんだ(186p)
袈   裟
  
鞦   韆  より

音楽は自由だ。
それを描く小説も自由だ。
だから
ほとんど旋律の描写だけで描いた
「蜜蜂と遠雷」の外伝は
全く旋律の描写のない小説に
終始した。

物足りないだろうか。
私は
充分豊かな時間を貰った。


電子書籍で遂に200円を切った
ので
読ませてもらった。
ありがとうございます♪






最終更新日  2021年10月14日 08時03分26秒
コメント(0) | コメントを書く
2021年10月12日


「詩歌川百景(1)」吉田秋生 小学館フラワーズコミックス

思った以上に充実した一冊だった。
特別なドラマは起きない。河鹿(カジカ)鳴く川が名物の架空の小さな温泉街の日常を描いたマンガである。そこで育った子供たちは独り立ちの秋(とき)を迎えている。その1年間をゆっくり描いている。「海街ダイアリー」と地続きの世界。いつか是枝監督が描いてもいい(描くべき)世界だと思う。

吉田秋生はデビュー時から少女マンガに大人の身体を持ち込んだ(「カリフォルニア物語(1979)」)。当時美大に在学していたから身体のデッサンはしっかりしているが、おそらく理由はそれだけではない。吉田秋生は周りが子供であることを許さない環境で「健全に」育ったのだろうと、私はいま推測している。例えばこの作品の登場人物のような。温泉街の子供たちの親は「わけあり」が多い。流れ着いて家族を作ったり、出戻ったり、置いて行ったり‥‥。

「きれいなだけじゃすまないことも、ここに住んでみてわかったわ

それでも雪はきれい

いいことばかりじゃないけど、悪いことばかりでもないわ」
大学受験をせずに、あずまやで働くことを選んだ小川妙はそう呟いた。

一回それぞれの登場人物の家系図を作ってみないと、何が何だかわからなくなるけど、それは次巻ということで。






最終更新日  2021年10月12日 11時40分17秒
コメント(0) | コメントを書く
2021年10月11日


「プラチナエンド」全十四巻 大葉つぐみ・作 小畑健・絵 集英社コミックス

「デスノート」で、人を自由に殺せる究極のノートを、犯罪者撲滅で世界平和を実現させる考えを持った独裁者に持たせたらどうなるかを実験したのが前作だった。今回はその反対を目指した。

死神ではなく、天使を登場させて、欲望薄い死にたがりの若者に、神になる能力を与えた。人を惚れさせてコントロールできる赤い矢、人を殺せる白い矢、一瞬で世界を飛び回れる翼。


誰が神になるのか、前半は神候補達の「バトル」を描いたけど、後半はそもそものテーマが出てくる。人間は結局はこの絶望的な世界で生きていていいのか?という問いかけである。

「自殺は人間にしかできない死に方だ」
「いや、人間にしかできない1番不幸な死に方だ」
このような問答がずっと続く漫画である。

今回は、正面から哲学的な問いをテーマにしてしまったので、詰将棋のようなデスノートとは違って、かなり粗が目立った気がする。(書けばネタバレになるので分かる人には分かる書き方で言えば)「指パッチン」はないでしょ。別の言葉で言えば、荒唐無稽になった。でも、デスノートを描いた以上、別の視点から「生きる意味」は描く必要があったのだろうと受け止めた。コレは大葉つぐみの誠実さだろう。

ストーリーの大葉つぐみは、一応哲学的な答えを出しているかのようではあるけれども、そもそも、そういう神様は「まだ現実には実在していない」のだから、この結論が「正しい」かどうかの検証は不可能である‥‥若い人たちには、そこのところを間違えないでもらいたいと切に望む。

まあ、面白かった。
天使は自分のことを「匹」ではなく「羽」で数えて欲しいらしい。‥‥「体」じゃないんだ!
神候補はなんと「体」で数えられていた。‥‥「柱」じゃないんだ。

星に願う時「世界が平和になりますように」
という有名サイボーグ漫画のパロディがあったり、
デスノートで出てきたさくらテレビが活躍していたり、
それなりに作者も楽しんでいるようです。

2016年第一巻発行、2021年十四巻完結。大葉つぐみ先生、次は妖怪でしょうか?






最終更新日  2021年10月11日 22時35分09秒
コメント(0) | コメントを書く
2021年10月06日
テーマ:本日の1冊(3551)


「総理の夫」原田マハ 実業之日本社文庫

いま色々と話題が被っているので、紐解いてみました。映画のキャスティングは絶妙でしたね。中谷美紀は暫く振りの日本、暫く振りの主演作。天然の夫(田中圭)に、美貌と知性を持つ少数政党の党首にして初めての女性総理大臣、正に当て書きをしたかの如く、ピッタリでした。当然公開は自民党総裁選がありそうな今を狙っていたはずです。

話題を呼ぶこと間違いなし。企画段階からハラグロい原久郎(民心党党首)並みのプロデューサーの狡猾さが光る‥‥。いや、文庫の「企画」も大したモンです。まさかの安倍昭恵元ファーストレディに「解説」を書かせるとは!2016年12月文庫刊行だから、モリカケ、さくら疑惑の直前です。絶妙なタイミングです。(そこで書かれている事実「自分が会いたい時に人に会う」等、重要な証言も書いてしまっています。だからアレコレやってしまったんだな、と納得です)

あ、いや、物語の中身については諸処の方面に支障があるので詳しい言及を控えさせて頂きます。という言い方は、政界はともかく書評の世界では通用しないか‥‥。

凛子氏の繰り出す政策の数々、特に消費税の複数税率での増税について反対するものではありませんが、私は幾つか異論がある(これ以上書くと諸処に支障があるので‥‥)。
また、働き方改革も若干異論がある。
そして、おそらくわざとやっているとは思いますが、安全保障政策については一言も触れられていないこと、等この小説の限界は指摘しておかなければなりません。
また、ラストのエピソードのドタバタについても、あんなにクドクドやらなくても良かったと思う。あんなことは、ニュージーランドの首相が数年前に果たしているし。コレも10年前の小説の限界か。

でも、こういう首相ならば、基本的に歓迎です。早くこういう日本になって欲しい。

一つ言うと、相馬凛子総理大臣は第111代なので、あと11代総理が変わらないと誕生しません。残念ですね。






最終更新日  2021年10月06日 20時12分24秒
コメント(0) | コメントを書く
2021年10月05日
テーマ:本日の1冊(3551)


「しきぶとんさん かけぶとんさん まくらさん」高野文子作・絵 福音館書店

高野文子初めての絵本執筆、ということだけで手に取った。この時点(2014年)で、「黄色い本」以来12年間本を出していなかった。それから同年にもマンガ本を刊行したが、またそれ以降沈黙している。ともかく寡作なのだ。今も沈黙しているけれども、未だに存在感はずっとマンガ界ではハンパない。

さて、絵本である。
基本線は筆だ。
今回も、過去の表現を捨てている。

3歳くらいの男の子の
寝る前の不安
おねしょ、手と足の冷え、怖い夢
しきぶとんさん
かけぶとんさん
まくらさん
にお願いしたら
まかせろ まかせろ おれに まかせろ
とっても頼もしい答えでした
きちんと守ってくれました
「しきぶとんさん かけぶとんさん まくらさん
いつも いろいろ ありがとう」

男の子には毎晩
寝る前に
読んであげたいですね






最終更新日  2021年10月06日 20時13分53秒
コメント(0) | コメントを書く
2021年10月04日
テーマ:本日の1冊(3551)


「風雪の檻 獄医立花登手控え(2)」藤沢周平 講談社文庫

(1)で止めようと思ったのだけど、ブリが付いてやめれなくなった。若いイケメン獄医と不良娘あがりの美人の従姉妹との進展も気になり、本巻はまるまる五つの短編を通して獄医の柔術仲間・新谷弥助の転落を後一歩で止めるという顛末も描かれていた。次第とシリーズモノらしき仕掛けも増えてくる。

文庫うしろにある年譜を見ると、1978年「小説現代」に連載を始めた頃、藤沢周平は月に2つも3つも短編を書いていて「隠し剣」や「用心棒日月抄」シリーズを次々と産み出していた。80年6月に(1)を刊行、81年3月にこの(2)を刊行している。脂の乗り切った頃の作品である。

それぞれに哀しい女が出てくる。
悪人を避けて何度も転居を繰り返す女。
ホントは隣の牢にいるのに、男の中では清いままの女。
(1)で入牢していたおしんが、少し元気になっていた。
登もいったんは騙される「化粧する女」。
夫を冤罪で嵌められているのに、色男に騙される妻。

藤沢周平の筆は凡ゆるタイプの女を描くが、その「真相」を突き止めるのは、「コイツホントに女の心のヒダはわかっているのか」と疑問を抱くような若い獄医である。
主人公だし、イケメンだし、基本は正義感溢れる人情篤いいい男なので、こういう評価はほとんどないとは思うのだが、立花登は基本「むっつりスケベ」である。それはラストのページに現れている。立花登の行為は、むかしは許されていただろう。現代果たして許されるのだろうか?少し気になる。






最終更新日  2021年10月04日 08時25分19秒
コメント(0) | コメントを書く
2021年10月01日


「スティーブ・ジョブズ」全6巻 ヤマザキマリ (原作)ウォルター・アイザックソン 講談社

ローマ時代の風呂設計士から21世紀のカリスマ経営者に、なぜ連載漫画が移ったのか?それは読めばわかる。

似たもの同士だったからである。
全6巻いっき読み。

世間に合わせたくない。
自分に自信がある。
嫌なことはしたくない。自分の子供と認めたくなかったら裁判も辞さない(のちに父娘は和解している)。
社会人になっても、菜食主義者は身体が臭くならないと信じて風呂に入らなかった。
生涯お金の心配をしたことがない、お金の心配など拒否した。
がん治療も最初手術を拒否して凡ゆる自然療法を試そうとした。
会社の社員はずっと振り回された。しかしだからこそ、創造的な仕事をした。
プレゼンテーションでアップルの差別化を上手く果たした。

賢いけど、自我を通す人。
それがヤマザキマリだと思う。

そもそも私は普通こんな自伝(評伝)は読まない。経営者の自伝なんて、礼賛一辺倒が普通だ。けれども、かなりきちんとした自伝(評伝)だった。ヤマザキマリが惚れただけある。

アップルの最初の思いつきが聖書からではなく、りんご農園から帰る途中の思い付き、「元気がよくて楽しそうで、コンピュータの語感も柔らかくなるし、自然回帰というカウンターカルチャーの意味も持つし、電話帳の初めに載る」という理由からということで、かなり感心した。また、ピクサー創設に完全に深く関わっていたことを知り、ピクサーファンとしては驚きだった(←もしかしたら、常識?)。iPhone創出エピソードは、もっと劇的に描くかと思いきや、普通の商品と同等だったので、それもびっくり。それよりもiMacの方が力が入っていた。アップル社がこれで起死回生のV字回復をしたのだから、当然なのかもしれない。

文字情報だけだったら、興味深く読めなかったのかもしれない。よくわからない商品の具体的イメージがわかないから。しかし、マンガだとよくわかったし、ヤマザキマリは、ホントにきちんと調べて、人物たちの年齢による変貌もほとんどそっくりに描いた。画家としてのしっかりしたデッサン力の賜物だろうと思う。






最終更新日  2021年10月01日 14時40分07秒
コメント(0) | コメントを書く
2021年09月30日


「子供はわかってあげない」田島列島 講談社

映画を観て紐解いた(ちなみに作品は上白石萌歌の現時点の代表作品になり得る)。
映画の作風から想像して、前回読んだ「水は海に向かって流れる」と同じような、いい具合に削ったセリフと画で構成された、言いたいことをすっかり飲み込んだ漫画だとばかり思っていた。

2014年発行。この6年間に作者はセリフを削りに削ることを覚えたようだ。映画(沖田修一監督)はむしろ、「水は海にー」の映画パイロット版をつくったのかもしれない(次は「水は海にー」か!?)。原作の方はかなり饒舌だった。むしろギャグテイストが濃い。映画だから、「教祖、教団のお金持ち逃げ事件」「明とお爺さんの和解」を省略したり、その他ラスト3回分のエピソードは半分ぐらいに圧縮していた。その代わり、アニメ「魔法左官少女バッファローKOTEKO」のエピソードは思いっきり広げていて流石の映画だと思った。脚本家・ふじきみつ彦は覚えておこう。

閑話休題、漫画に話題を戻す。全2巻一気読み。
ギャグ漫画にありがちな、「笑って泣かせる」作品にしていない。かなりクールで、練られたネームだ。下の編集者の紹介文が、当時のマンガ編集部の興奮をよく表している。

内容紹介
(上巻)水泳×書道×アニオタ×新興宗教×超能力×父探し×夏休み=青春(?)。モーニング誌上で思わぬ超大好評を博した甘酸っぱすぎる新感覚ボーイミーツガール。センシティブでモラトリアム、マイペースな超新星・田島列島の初単行本。出会ったばかりの二人はお互いのことをまだ何も知らない。ああ、夏休み。
(下巻)あの時キミと出会わなかったら、こんなに素敵な夏にはならなかった。サクタさんともじくんのひと夏の青春お気楽サイキック宗教法人ハードボイルドボーイミーツガール、後半戦。イノセントでストレンジ、モーニング超期待の新星、田島列島の初単行本作品です。

(あとがき)
下巻において、作者は4ページのマンガのあとがきを描いていた。私と同じように「なんらかの理由をつけないとホントにやりたいことに手をつけることができない」病にかかっていると、私は観た。「趣味で長編を描いてみようと思い立った」と自分に言い聞かせ、「これは趣味なんだ、これは趣味なんだ」と、2ヶ月間引きこもってネーム全20話を書いたようだ。連載が決まっても、下絵を描くほどに下手になってゆく病にかかったようだ。もう、ほんとに彼女を同類相憐れむように観る私がいた。でも結局彼女は傑作を完成させて、映画化までされた。私は、「俺はいったい何やってんだ」と「ひとり自分を苛む」病にかかったのはいうまでもない。






最終更新日  2021年09月30日 16時58分12秒
コメント(0) | コメントを書く
このブログでよく読まれている記事

全621件 (621件中 1-10件目)

1 2 3 4 5 6 ... 63 >


© Rakuten Group, Inc.