カテゴリ:和歌山訴訟
にほんブログ村 (↑当ブログは皆様の1クリックで成り立っています。お願いします!) 問題:次の文章を読み、あとの問いに答えなさい。 日司連(日本司法書士連合会)から、7月12日付で、各書士会長宛に、以下の文書が出された。 「最高裁判決による現在受任中の事件の実務対応について(至急のお知らせ) 平成28年6月27日、最高裁において司法書士法第3条第1項第7号 (認定司法書士 の行う裁判外の和解の代理業務)の解釈適用について判断した判決が 言い渡されました。 この判決により、認定司法書士が裁判外の和解において代理することができる範囲は 個別の債権ごとの価額を基準として定めるとされましたが、一方、 依頼者の受ける経済的利益の額が140万円を超えない範囲内で裁判外の和解の代理業務を 行うことができるとする所謂「受益説」は認められず、「個別の債権ごとの価額」を基準として 定められるとされました。 したがって、現在会員が受任中の民事事件のうち、 最高裁判決で認められなかった業務については今後遂行することはできず、 別途適宜の方法による事件処理を検討する等の対応が必要となります。 …(後略)…」 従前、日司連は、例えば借金300万円の依頼者がいて、 業者と和解交渉して借金を200万円まで減額した場合でも、 差額は100万円であり140万円以下であるから、 この和解交渉を司法書士は代理できるという見解を採っていた(受益説)。 しかし最高裁は受益説を否定。 端的に借金が140万円を超える場合には司法書士の代理はまかりならんと、 日弁連の見解(債権者主張額説)を支持したわけである。 日司連も対応に苦慮しているのであろうが、 判決が出たのは6/27であるから、ちょっと文書出るのが遅いし、 その割に具体的にどうすればいいのかがまったく書いてない。 「別途適宜の方法」って何よ、ってところが問題だと思うのだが。 問1:あなたが司法書士として、今まさに依頼者Xを代理して、 債務300万円を200万円に下げる和解交渉を業者と行っていた場合、 どうすればいいだろうか。辞任するしか手がないだろうか。 司法書士試験範囲全体から考えてみてほしい。 ヒント:民法総則の規定によれば… 問2:今後、債務300万の依頼者Yがあなたを訪ねてきた場合には、 「別途適宜の方法」としてどのように対応すべきだろうか。 やはり司法書士試験範囲全体から考えてみてほしい。 ヒント:司法書士法の規定によれば… (解答は下に…) … 解答例です(くりりんの私見です) 問1:民法第113条 1.代理権を有しない者が他人の代理人としてした契約は、本人がその追認をしなければ、 本人に対してその効力を生じない。 逆に言えば、本人が「追認」をすれば有効になるのだから、 これまで司法書士が交渉してきた経緯は本人に追認してもらうことで 有効とすることができる。(追認の効果は遡及する) (なお、故意に欠けるため弁護士法72条違反の問題も生じる余地はないと考える。 もちろん、以後の交渉は慎み、本人にバトンタッチすべきである。 または、問2の方法を参照のこと) 問2: 債務弁済協定調停または特定調停を裁判所に申し立てる。 裁判所に提出する文書の作成は、訴額に関係なくできるので(司法書士法3条)、 本人訴訟支援の形をとり、本人が調停期日に出頭すればよい。 いかがでしたか? 受験生にはちょっと難しかったかもしれませんが、 こういうことをパッと思いつくことのできる力が応用力というものです。 それに、司法書士になれば必ず向き合う問題ですから、 今のうちに考えておきましょう。 司法書士の裁判業務は、訴額140万円に限られない、 簡裁代理権はおまけに過ぎない、 ということを常に意識してください。 (↓よろしければ1クリックお願いします!) ※1クリックいつもありがとうございます! 大変励みになり、続けようという気になります。 引き続き1クリックよろしくお願いします!! ※1クリックは0~24時の間に1回のみ有効です。 すべての記事を1クリックしていただく必要はございません。 にほんブログ村 -------------------------------------------------------------------------- ご意見・ご感想はこちらまで kuririn1228@hotmail.co.jp -------------------------------------------------------------------------- お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2016.07.14 02:46:25
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