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カテゴリ:ドラマ
監督 フランク・ダラボン 出演 ティム・ロビンス モーガン・フリーマン スティーブンキングの中編が原作で、日本アカデミー賞外国語映画賞をはじめ、数々の賞を受賞している秀作です。米アカデミー賞では、7部門にノミネートされましたが、惜しくも受賞は逃しています。 銀行員のアンディ(ティム・ロビンス)は、妻とその愛人を殺害した罪で、終身刑の判決を受けます。実は冤罪なのですが、ショーシャンク刑務所に収監されます。 刑務所の雰囲気に慣れず戸惑っていたアンディですが、“調達屋”のレッド(モーガン・フリーマン)と仲良くなり、所内の環境改善に取り組む中で、他の受刑者とも打ち解けるようになってきました。 また、銀行員としての経験を生かし、刑務官たちの税務相談や、所長の所得隠しまで、請け負うようになっていきます。 10年ごとに審査される終身刑の仮釈放審査はなかなか通らず、何十年もたってやっと仮釈放が許された老受刑者が、外での生活になじめず自殺してしまうという、悲惨な描写もあり、もちろん、受刑者間のいざこざやいじめ、刑務官からの理不尽な仕打ちなど、結構悲惨な場面が映し出されていきます。 そんな中、アンディは、常に前向きで希望を捨てずに生き、係になった図書館の改善を皮切りに、所内の環境改善に取り組んでいきます。その一方で、実は、別の計画も進めていたのです。それは、石を掘って彫刻を作るのが趣味だと言って、レッドから石堀用のハンマーを調達したり、部屋の中にリタ・ヘイワースやラクエル・ウェルチのポスターを貼っていることが伏線なのですが、あまりにも、彼が所内で前向きに生きているために、まったく、気が付きませんでした。 だからゆえ、この話の結末には非常に驚かされます。その上、痛快です。結果的に、彼は自由の身になるわけですが、そのやり方は、実に巧妙で、ずるがしこいやり方です。多分、観た人の99%が、「やられた!!!」と思うことでしょう。(原作を読んでいる人は別ですが) この結末は、ただ単に、彼が賢かった、というのだけではなく、彼が常に希望を持ち、前向きに努力した結果なんだということに、後で気づきました。 どんな悲惨な状況に置かれていても、前向きに努力していけば、道が開けてくるものだ、ということが言いたいのかもしれません。 悲しいことがあった時、落ち込んでいる時、気分がすぐれない時、消極的になっている時など、この映画を見ると、結末の爽快感で、元気になれるかもしれません。そんな逸品です。 また、主役の2人、ティム・ロビンスとモーガン・フリーマン、アカデミー賞の常連(特に助演男優賞)の2人の演技は、やっぱりいいです。「ミスティック・リバー」のおどおどしたおじさんが、この映画の前向きに生きる青年と、同一人物とは思えません。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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