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2011.11.18
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カテゴリ:戦争
「ヒトラー~最期の12日間~」 Der Untergang 2004年 ドイツ・オーストリア・イタリア映画

監督 オリヴァー・ヒルシュビーゲル
主演 ブルーノ・ガンツ

 題名の通り、ヒトラーの最期の12日間を、そのそばにいた若い秘書の目を通して、ドキュメンタリータッチに描いた作品です。

 第2次世界大戦の末期、連合国軍が、ドイツの首都ベルリンへ迫ってきている最中、ドイツの総裁ヒトラー(ブルーノ・ガンツ)は、側近や恋人のエファ・ブラウンたちとともに、地下要塞で暮らしています。
 とにかく、リアル、その一言に尽きます。本当に、当時の現場に行って撮っていたのかと思われるほど、リアルな映像が、淡々と流れます。
 僕は、ナチスドイツの幹部たちについて、詳しくは知りませんが、ヒトラーをはじめとして、その恋人エファーやゲッペルス宣伝相など、その姿や言動は非常にそっくりに再現されているそうです。
 とにかく、徹底したリアルな映像で、ナチスにも、連合国軍にも、どちらにも肩入れせず、淡々と描かれた映画なのです。
 その映像のほとんどが、地下要塞の中の描写で、戦闘シーンは非常に少ないのですが、彼らが追いつめられていることが、ひしひしと伝わってきて、長い映画ですが、退屈せず、最後まで画面に見入ってしまいます。

 そんな中、やはり見るべきは、怪物でもなく、英雄でもなく、ひとりの人間として描かれている、アドルフ・ヒトラーです。
 女性や子どもには優しく接し、質素な食事に文句も言わず、個室では彼女と不安に震え、人間ヒトラーの姿が描かれていきます。
 一方では、悲惨な戦況報告し、弱音を吐く幹部はその場で罷免し、勇ましいことをいうものを新たに要職につけ、作戦会議では、部下を叱咤し、しっかりとした一面を見せるかと思えば、ほとんど壊滅している部隊を、前線の援軍に送るように命令し、もう存在すらない精鋭部隊が助けに来てくれると願っているなど、狂気な一面も見せてくれます。
 一番近くにいたからこそ見ることができた秘書の視点で、丸ごとのアドルフ・ヒトラーが描かれていきます。

 悲惨な戦況を報告に来る部下たち、その背景で、全てに絶望し、酒盛りをして気を紛らわす部下たち、作戦会議とは名ばかりで、怒る総裁をなだめるのに精一杯な部下たち、ほとんど壊滅状態のドイツ軍幹部たちのリアルな映像が、描かれていきます。
 その中でも、印象的なのが、シェンク医師と、ゲッペルス宣伝相です。
 シェンクは、ベルリン市内の病院の悲惨な状況を報告に地下要塞にやってくるわけですが、悲惨な状況に絶望して、酒盛りをしている幹部たちにあきれ果て、総裁に直に会って、その狂気を知り、ドイツ第三帝国の終わりを身に染みて実感するのでした。最後まで、理性を失わず、冷静な幹部のひとりでした。
 ゲッペルスは、ヒトラーと最後まで運命を共にする覚悟で、夫人と子どもたちまで連れて、地下要塞に住んでいました。ヒトラーが、自ら命を絶ったことを知ると、他の幹部たちが地下要塞を捨てて逃げ出していく中、夫人とともに、子どもたちに毒を飲ませ、自らも命を絶つのです。夫人と無言でうなずきあい、ひとりひとりの子どもにやさしい言葉をかけながら、順番に毒を飲ませていく、その場面は、やけに丁寧に描かれており、自業自得だと思いながら、思わず涙ぐんでしまう場面です。

 映画を見て楽しむとか、感動するとか、教訓を得るとか、そういうことは度外視して、一つの史実を描き出していくということで、見事な作品を作り上げたものだなと、感心させられる作品です。





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Last updated  2011.11.18 22:23:26
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