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カテゴリ:SF
監督 エリック・ブレス 主演 アシュトン・カッチャー 以前、「ジャケット」という映画の記事を書いた時、参考のために、ネットで感想を見ていたところ、「バタフライ・エフェクト」に似ているという感想が少なからずありました。まだ、未見だったので、とても気になっていました。 今回、DVDをレンタルして観ました。結論、「全然、似てないやんけ!!!適当なこと言ってんじゃねえよ!!!」です。 確かに、タイムトラベルを扱っていて、恋愛の要素もあり、精神病院が出てきますが、それぞれの扱いが全く違います。「ジャケット」では、原因不明で、肉体ごと未来へタイムトラベルし、未来の女性と恋愛し、主人公は基本ずっと精神病院にいます。「バタフライ・エフェクト」は、主人公の遺伝された能力で、意識だけ過去へタイムトラベルし、現在の彼女と恋愛し、精神病院にいるのは一部だけです。 これは、似ているんですか?これが似ているのであれば、僕と福山雅治は似ていることになります。目と眉毛と耳と鼻の穴はふたつずつ、口と鼻はひとつずつ顔の中にあります。そして、2人とも天パーで、40代の男です。彼は坂本龍馬の役をやり、僕は坂本龍馬が好きです。どうです、僕と福山雅治は似ているでしょう。 「ジャケット」と「バタフライ・エフェクト」が似ているなんて、いい加減なことを言わないでください。自分の分析能力がおかしいことをひけらかさないでください。 すみません。あまりに腹が立ったので、言わせていただきました。 さて、「バタフライ・エフェクト」ですが、なかなか面白い映画でした。 人はみな、過去のある地点へ戻って、現実とは違う選択をしていたら、人生変わっていただろうと、思ったことがあるでしょう。遺伝された能力により、それができる男の話です。 時々、記憶をなくす少年だったエヴァン(アシュトン・カッチャー)は、少年のころ書いていた日記を見ると、意識が過去に戻る能力があることを発見します。そして、過去に戻って、周りの働きかけることで、未来を変えることができることを知ります。 エヴァンは自分のせいで、幼馴染の少女ケイリーの人生を狂わせてしまったことから、過去に戻り、人生を変えていきます。しかし、何度戻っても、ケイリーやほかの友だち、家族や自分など、誰かが不幸になってしまうため、戻る地点を考えなければならないことに気づくのです。 エヴァンは、何度も過去に戻って行く内、自分の記憶が蓄積して行き、脳に異常な負担をかけることに気付いていきます。実は、彼の父親も自分と同じ能力を持っていたため、記憶の異常な蓄積で精神を病み、彼が物心ついたころには、精神病院にいたのです。 その、父親の例からもわかるように、この能力は、悪魔の能力です。何度も何度も、人生の選択をやり直すたびに、脳に負担をかけ、ゆくゆくは脳がパンクしてしまうのです。 人は、人生の分岐点において、何度も何度も選択を強いられます。時にはいい選択をし、時には間違い、その結果として今生きています。選択のたびに生まれるリスク、それがあるからこそ、様々な選択を経て、人は人として成長していくものではないでしょうか。 人生の分岐点でひとつの選択をするということは、ほかの可能性を捨てるということですから、そこに何かしらのリスクが生まれるのは必然ではないでしょうか。全くリスクの生まれることのない選択というのはあるのでしょうか。そんな選択を望むというのは、傲慢というものではないでしょうか。 彼は、何度も何度も過去に戻り、選択のやり直しを繰り返します。でも、そのたびに周りの誰かが不幸になります。そして、結局彼が選んだ選択は、ハッピーエンドですが、実は彼にとっては1番アンハッピーな結末でした。彼は、この結末を選ぶことで、何とか精神に異常をきたすことは免れます。これが、1番いい選択だったのでしょう。 彼のこの能力は、選択をやり直すことはできますが、結局は選択をすることには変わりありません。そして、すべてが満足する選択というのはありえないので、結局は、どこで妥協するかということです。 それに気付いたエヴァンは、もう過去に戻ることをやめようと決意するのです。今後は、彼は人生の分岐点に立つたびに、慎重にその道を選び、その結果がどう出ようと、それを受け入れ、人生を有意義に進んでいくことでしょう。 結局は、それが一番いい、ハッピーエンドだったのです。 ということで、人生を考え直す、いいテーマを持った、いい映画だったと思いました。 題名の「バタフライ・エフェクト」というのは、通常なら無視できるような小さな差が、巡り巡って、やがては大きな差を生んでしまうことを言います。ある場所での小さな蝶のはばたきが、そこから離れた別の場所の将来の天候に影響を及ぼすことから生まれた言葉です。 まあ、言ってみれば、「風が吹けば桶屋が儲かる」ということです。 だから、タイムトラベルは、難しいのです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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