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テーマ:国内旅行について(2481)
カテゴリ:旅行けば
とある経緯で国会議事堂衆議院を見学に行った。
現在、事前の予約無しで見学できるのは参議院のみで、衆議院は議員の紹介が無いと見学できなくなっている。 議事堂は1920年に建設開始、1936年に竣工したが、それまでは1890年の第1回帝国議会召集からずっと木造の「仮議事堂」で議会が開かれていた。 この木造仮議事堂、第1回議会召集から僅か2ヵ月後に火事で焼け落ちているし、その後建てられた2つ目の仮議事堂も関東大震災は乗り切ったものの1925年にやっぱり火事になって消失している。3つ目の仮議事堂は、議会開催の日程の都合もありたった3ヶ月で建設された。 頑丈で地震にも強い構造(であるはず)の現在の議事堂は、17年の歳月をかけ、ステンドグラスなど一部を除き国産の建材を使って建てられた。 議事堂の外側、内部でもあちこちに石材が使われているが、大理石などではなく国産の花崗岩。木材なども重厚で、さすが一国の政治の中枢らしい建物だ(そこでいろいろやっている人物たちが重厚かどうかはこの際問わない。笑)。 廊下などの天井は高く、いかにも古い戦前の建物、という感じがする。 見学中突然強烈なデジャヴュに襲われた。 しかし、すぐにそれはデジャヴュではなく、単なる記憶のフラッシュバックであることに気付く。自分は確かにこういう建物を見たことがある。記憶を探る。 そうだ、こういう造りの建物は中国の東北でよく見たのだった。 旧ヤマトホテルとか銀行とか、要するに満州国時代の建物。 そして極めつけが旧満州国国務院。満州国の議事堂なのだが、外見は日本の国会議事堂そのものである。初めて見た時には軽い眩暈がした。今は吉林大学医学部(ちょっと前までは白求恩医科大学という単科大学だったが吉林大学に統合された)として利用されている。 満州国時代の建物はどれもそれなりの年月を経ていて、良きにつけ悪しきにつけ年月の澱をまとっている。天井が高く、少しひんやりとした薄暗い空気が廊下の天井の辺りや物陰にいつも漂っている。人影の少ない静かな時にこういう建物の中にいると、何かいろいろ考えを巡らしたくなるというものだ。 議事堂の廊下を歩きながら、今のおしゃれなビルとか建物って50年60年経った後にも歴史の空気を保つことができるのか、とちょっと心配になった。ただ貧乏臭く古びるだけじゃないのか、とか。心配したって仕方ないんだけどね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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