だだもれ堂筆記

今日はずっとにわか雨と一気に気温が上がる晴れ間が交互にやってきて落ち着かない天気だった。つい3分前から雨音が聞こえ始めたと思ったらもう強烈な雨が降っている。気象庁のレーダー・ナウキャストを見る限り、30分もしないうちに止むようではある。

蒸し暑い空気の中でベランダからにわか雨を眺めていて、オールドデリーの商店街で突然の大雨に降られ、アーケードで雨宿りをした時のことをふと思い出した。

あれは確か包装紙みたいな紙類を扱っていた店の前だったと思う。
雨宿り中の街行く人たちも店の前に人が滞って商売にならない店主たちも、皆所在無さ気にアーケードの屋根から流れ落ちる滝のような雨水と、負けず劣らずどえらい勢いの雨を眺めている。
何もかもがずぶ濡れになったサイクルリキシャのおっちゃんがやけくそのようにペダルをこいで道を走っている。
通りは水しぶきで煙って見える。
道路の低いところには見る見るうちに水が溜まっていく。
雨のおかげで少し気温は下がったのかもしれないが、やはり蒸し暑いことには変わりが無い。

ぼんやり雨を見ていると、左肘の後ろ側に生暖かい空気がかかるのを感じられた。
小さい子でも後ろに立っていて息がかかっているのかと最初は気に留めなかったが、それにしても妙に勢いがいい。

振り返ると、牛がいた。
牛もやはり雨に濡れるのは嫌なのだなあ、と納得したのを覚えている。