江戸の「判じ絵」クイズ-「絵」でことば遊び その3
「遊び」で「学ぶ」頭のトレーニング。今回は「魚の判じ物」からの「判じ絵」クイズです。(「さかなのはんじもの」)前回の「鳥の判じ物」と同じ解き方です。まずは、初級編から。「魚の名」を答えて下さい。(い)(ろ)(は)(ヒント)(い)「栄」を音読みすれば…。(ろ)(い)の問題と同じ解き方です。(は)同じく「色」シリーズ。「台」の色は…。(答え)(い)「あかえい(赤エイ)」(ろ)「白魚(しらうお)」(は)「黒鯛(クロダイ)」次は中級編。いろいろなパターンで考えてみて下さい。(に)(ほ)(へ)(と)(ヒント)ノーヒントです(ヒントを出すと答えになります)。(答え)(に)「平目(ヒラメ)」←「目」が「平椀」(ほ)「鮒(フナ)」←「歩(ふ)」と「菜」(へ)「鱚(きす)」←「木」に「巣」(と)「たかべ」←「鷹」が「屁」ふざけた感じが「江戸」らしいです。「平目」の顔は「こんな雰囲気の人いそう」で面白いですね。「キス」の「巣」は以前「ホトトギス」でも着物の柄で出てきました。「す」=「巣」はパターン化しています。最後に上級編。やはり、パターン化した文字絵が使われています。(ち)(り)(ぬ)(る)(ヒント)(ち)あくまでも「魚の名」です。惑わされないで下さい。(り)燃えているのは「絵」です。(ぬ)ただの「戸」ではありません「カギ」が掛かっています。(る)衝立ともこもこした着物、女性らしい絵です。しかし顔は馬。(答え)(ち)「鰆(サワラ)」←「桜(さくら)」の真ん中が「輪(わ)」(り)「海老(エビ)」←見たままです。「絵」に「火」がついています。(ぬ)「泥鰌(ドジョウ)」←「戸」に濁点で「ど」、「錠前」(カギ)が掛かっていて「じょう」(る)「秋刀魚(サンマ)」←お産をしている馬で「産」「馬(ま)」。「サワラ」の絵にある人は何をしているのでしょう。桜の木をいたずらする子を大人が叱っているようです。「サンマ」の馬は、何となく物憂い表情をしています。当時のお産の状況が偲ばれる絵柄となっています。江戸時代の日本人にとって、「魚」は身近で親しみやすい食べ物であったのでしょう。ほとんどが食用の魚のようですが、「赤エイ」は食べなかったと思いますが、よく魚の名を知っていたことに驚かされます。庶民にとっては、「文字」よりも、こうした「絵文字」の方が親しみやすかったかもしれません。「泥鰌」や「海老」が魚の名に登場するのは面白いです。「魚」の範疇が柔軟で広かったことが分かります。そういえば「酒の肴」も「さかな(酒菜)」ですね。幅広い言葉の使い方、解釈の柔軟性は、こうした「文字遊び」の特徴と言えるでしょう。私たちも、あまり堅いことばかり言わずに「言葉」と柔軟に幅広く付き合っていきたいものです。