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「遊び」と「学び」の交差点

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2013年04月14日
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カテゴリ:教育
2013年4月14日(日)「読売新聞」朝刊の1面から3面を読んでいたら、対照的な記事が目につきました。

1~2面の特集記事「地球を読む」では、山崎正和氏が「教育改革への注文」を論じています。

3面には東大・京大 求む異端児」の記事(「スキャナー」)が掲載されています。

山崎正和氏は、「高学歴・低学力」の教育現場を改善する方策として、「義務教育充実、暗記も徹底」させるべきだと訴えています。


「人間はまず言葉があって、その言葉によってものを思う動物なのだから、多くの文例や表現例を覚えていなければ何も思うことができない。戦前の小・中学校では生徒は古今の名文を暗唱し、ものの思い方とその表現法を暗記する訓練を受けた。この伝統を復活するとともに、漢字や熟語、比喩の用法などをつめこむことが現代教育の急務なのである。」


劇作家であるがゆえの「ことば」へのこだわりが感じられます。と同時に山崎氏は元中央教育審議会会長でもあります。教育行政に携わった経験者ゆえの発言なのでしょう。


さて、一方「大学教育の現場」での取り組みは次の通りです。

東大・京大「推薦・AO入試16年度から」


東京大学【推薦入試】

・入学定員約3100のうち100人を募集
・各高校の推薦枠は1~2人
・高校の調査書と推薦状、活動実績を証明する書類などを提出
・書類選考と面接を実施した上で、一月のセンター試験で学力を確認して合格を決定

京都大学【AO入試】
・入学定員約2900のうち100人を募集
・「高校の成績が学年上位5%以内」を出願条件とする方向
・高校の調査書と学業活動報告書、入学後の「まなびの計画書」などを提出
・書類選考、センター試験や面接などで総合評価。2次試験実施前に合否を決定する予定



以前も取り上げましたが、東大では「学生の均質化」が問題となっています。今年度入学者のうち、関東地方の高校出
身者が56%で、都内だけでも36%と、近年、都市部の中高一貫校出身者の占める割合が加速しているため、という。一方で、留学生は1.6%海外留学中の学部生も昨年度は72人にとどまった、といいます。

「内向き」傾向が顕著となり、推薦入試導入は「異端児」を求めている姿勢の表れではないか、と記事では分析しています。

そこには、「受験秀才」だけで、異質とぶつかり合わない学生ばかりでは世界で見劣りする、という認識があるようです。

記事には、「米ハーバード大学の入試」についてもまとめてありました。


米ハーバード大学の入試【現行】
・海外を含め約2000人を選抜
・課外活動などの実績や志望動機、小論文、高校の成績、共通テスト「SAT]の点数などを基に総合的に選抜
・専門の大学職員が出願書類を調査。世界各地にいる卒業生らが面接。
・海外からの入学者への奨学金も米国学生と同様に支給



いかがでしょう。ハーバードは選抜の人数と規模(世界的)が全く違います

日本の東大・京大は、表向き、形式的に「広く人材を集める」姿勢を見せているだけで、実質的な「グローバルな多様性」に結びつけるには、まだまだ時間と努力が必要なことは明らかです。

少しだけ「ハーバード級の大学」の真似をしてみようか、程度の試みにとどまっているのが実情と言えるでしょう。

ただし、「何もしない」よりはまだよいのかもしれません。

学生だけでなく、大学自体が「内向き」の姿勢から脱出できていない感が否めません。

では、今後いかにして「世界の大学」を目指すために「多様にして優秀な人材」を確保していくのでしょうか。


ハーバードのように、グローバルに「多様な人材」確保に本腰を入れるのか。

一方で、山崎氏が論じるように、国内の「低学力化」を食い止め、本当の「高学歴」を目指していくことも「急務」です。「多様性」よりも、むしろ基礎教育に重点を置く必要があります。


これからの「大学教育の行方」は、こうした二つの「異なる」方向を見据えて上で考えていかなくてはなりません。

しかし、どちらも中途半端で実績が上がらない、という現実があります。

その理由は、記事の終わりにある、次の内容が深く関わっている気がします。


東大、京大の入試改革が多大からも注目される中、東大で教える他大学出身の教員は危惧する。「教員の多くが東大入試を突破し、従来型の学力観にとらわれている。結局は一般入試と変わらない学生しか採れないのではないか」


山崎氏が主張する「従来型の学力観」に基づく基礎重視の教育施策と、一方で「グローバルに多様な能力を評価していく」人材確保を目指す大学側の姿勢。

これらの折り合いをどうつけていくのか。自らの足元をしっかり固めて、じっくりと周囲との交流を深めること―そのためには、まだまだ時間がかかりそうです。

けれど、のんびりしている暇はありません。


「二兎を追う」教育政策、教育行政が求められている時代であることを感じさせる二つの記事でありました。





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Last updated  2013年04月14日 18時02分59秒
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