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うちのクラスは盲目の新入生を迎えた。
点字辞書らしい不思議な機械と (何かカチャカチャやると、点字が浮き上がってくる。) これまた不思議な形態の点字ノートを使っている。 (平行を保つ金属板のようなものをあてがって、 キリみたいな道具ですごい勢いで紙を突いていく。) 見えないから当然と言えば当然なのかもしれないけど、 学校指定の教科書も問題集も持ってはいない。 皆が各自問題をやるときは、先生が一対一で口頭で問題を出していく。 完全に、耳と口だけで授業を受けている。 が、しっかり授業についていってる。 恐らく家で勉強を補助してくれる人がいるのだろうけれど、 それにしてもすごい。 教科書が読めても落ちこぼれてしまう生徒が何人もいるというのに。。 目以外の知覚がものすごく研ぎ澄まされているように感じる。 「んねね、元気?今日は疲れてるの?なんかそんな感じ。」 などと、授業中の声のトーンだけで察知し、 音や声や空気の動きで、誰がどこにいるか敏感に察知して、 誰にでも陽気に話しかける。 目が見えても他人に鈍感で、特に社交的でもない私にしたら、 これはほんとに尊敬に値する能力と性質だ。。 彼が来てくれたおかげか、授業が随分変わった。 新しいことに入る前に、いきなりやらせるのではなく、 言葉で丁寧に説明していく授業になったし、 プリントの問題を前ほど使用しなくなり、 代わりにしゃべって慣れさせる機会が増えた気がする。 先生自身2週間ほど前から、 盲目の生徒が来る、どうやって授業しよう、と言っていたが、 先生なりにいろいろ考えたのだなあ、という気がする。 彼がドイツ語を勉強する目的は、彼の音楽の為。 ドイツは音楽教育のレベルが高いらしく、 母国で音大を出て、ドイツの音大を目指しに来ている人が大勢いる。 彼の演奏も聴いてみたいものだな~。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006年09月16日 00時48分35秒
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