BBSがなくなったので、
　かつて本郷三丁目にあったらーめんの名店「深川文六」についてやりとりした
　BBSの文章を以下に再掲しておきます。




『深川文六』の名前を見つけて感慨一塩！　ひろ坊さん
　はじめまして！Kazutaさん(^^) 千葉の48歳の会社員、ひろ坊と申します。
　今日、久しぶりにフッと思い出したラーメン店『深川文六』の名をネットで検索したところ、
　以前は全くノーヒットであったものが、ドンピシャでKazutaさんのHPのみにヒットし(笑)
　思わず声を上げてしまいました。
　学生の頃はネットも無いし、雑誌や特集本の掲載もたまにしかなかったので、
　非常に情報に飢えていました。
　だから、街中を歩いていて、ふと気になる店構えや匂いを漂わせる店には、
　自分の勘を頼りに良く入りました。
　本郷三丁目で降りたのは、東大の赤門と安田講堂をみたかったからですが(笑)
　駅を出て赤門に至るまでの間にあった『深川文六』は
　店の佇まいを見ただけでピンときました！
『深川文六』の支那そばは、縮れた極細麺がサッパリとしたスープに合う
　東京ラーメンの原型に近いものでしたね。
　Kazutaさんが、『深川文六』の味を追って行き着いたという『びぜん亭』にも
　是非行ってみたいと思います。
『深川文六』が閉店する直前にも食べに行ったのですが、
　ボクが『深川文六』で最も強く記憶に残るのは、
　店の名前を冠した『文六麺』（深川文六麺だったかな？）です。
　今なら「油そば」という括りになると思いますが、
　当時は多分、東京では油そばの元祖珍々亭のみでしかお目に掛かれない
　汁無し麺で、初めてオーダーした時は、
　単純に普通のラーメンにトッピング全部のせ！みたいなイメージをしていたので、
　いきなり汁の無い麺が目の前に出てきたときは、しばし呆気に取られてしまいました。
　当時、東池袋の大勝軒には何度も通い、つけ麺の旨さは承知していたけど、
　汁が無く、タレを極細麺に絡めただけのラーメンは、
　ある意味大きなカルチャーショックでした。
　ごちゃごちゃと書いてしまいましたが、Kazutaさんのお陰で、
　自分の青春の１ページが取り戻せた気がして、
　とても嬉しくてついついメッセージさせていただきました。
　有難うございました！
（2010年09月14日 19時58分55秒）






　Re:『深川文六の名前を見つけて感慨一塩！　lalameansさん
　ありがとうございます（＾＾）

　こちらこそ嬉しい書き込みありがとうございます！！
　昨日の民主党代表選での露骨な不正選挙による結果にムカムカしていたところでしたので、
　ひろ坊さんの書き込みはボクにとって癒し効果になっています（＾＾）
　ボクにとって『深川文六』のらーめんは、いまだにナンバー１でして、
　当時は近所にあるなじみのらーめん店ぐらいに思っていた程度でしたが、
　なくなってみると、あらためて美味い店だったと実感させられます。
　一見何の変哲もないシンプルならーめんなので、
　誰にでもつくれそうにすら思えるたたずまいなのに、
　同じタイプのらーめんは皆無に近く（『びぜん亭』だけといっていいかもしれません）、
『深川文六』がなくなって以降、
　支那そば系らーめん店はチェーン店も含めてたくさん開店していますが、
　ごく一部の店を除いて、いずれも今ひとつの店ばかりに思えます
（名店といわれる店も含めて）。

『深川文六』はボクが小学校高学年の頃に近所に開店したのですが、
　開店当時は正直美味い店ではありませんでした……。
　そこで味にうるさいボクの父や祖母が、
　店主にあれやこれやとこまかくアドバイス（ほとんど文句に近い（笑））をしたのですが、
　店主は一切ムッとした表情をみせないどころか、
　次に行った時には全て改善されていて、
　さらに「また何かありましたら、何でもおっしゃってください」と、
　言っていたのを思い出します。
　そんな店主の謙虚かつ真摯な姿勢が、あの店をつくったのだろうなぁと、
　今あらためて確信しています。
（続く）
（2010年09月15日 14時23分13秒）






　Re:『深川文六』の名前を見つけて感慨一塩！　lalameansさん
（続き）

「文六らーめん」、思い出しました！！　まさに「油そば」の原型ですね！！
　あの汁のない麺の、底にある独特の美味いダシ＆タレは、
　今思い出しても絶品でしたね！！
　あのちりちり麺との絡みもまさしく絶品でした！！
　どこの店の油そばもつけ麺も、あの味にはかなわないように思います。
「支那そば」にしようか「文六そば」にしようか、当時迷ったものでした、
　そうそう、餃子も絶品でしたね！！

　ボクが中３か高１ぐらいの時に「深川文六」は区画整理でなくなってしまったのですが、
　閉店するまぎわに、店主に移転して営業するかどうかを聞け出せなかったのが、
　未だに心残りです（確かしばらく休んでから決めようと思っています、
　と言っていたように記憶しています）。
　10数年前に、店主の奥さんを近所で見かけたことがあったので
（大通りの信号をはさんだ反対側に発見したのですが、
　赤信号で行けないうちに見失ってしまいました）、
　ひょっとしたらまだ近所にいるかもしれませんが、
　探しまわってみても、それらしいらーめん店はありませんでした……。

　ともあれ、こちらこそ懐かしい記憶を思い出させてくださって、ありがとうございます（＾＾）
　ぜひ「びぜん亭」に食べにいってみてください。
「びぜん亭」があるので、
　ボクは「深川文六」がなくなった喪失感を感じずにすんでいるといった次第ですので。
（2010年09月15日 14時24分07秒）






　そう、店主は人の良い実直な感じの方でした！　ひろ坊さん
　Kazutaさんのお父様やお婆様が、
　あの実直そうなオーナーさんに指南？されて、
『深川文六』の味が出来上がっていたのですね(笑)

　今は無きモノに対する小さい時の思い出や記憶というのは、
　自分の中で昇華されて、より素敵なモノになったりしますね♪

　閉店直前に最後のラーメンを食べに行ったとき、
　何人かの常連らしきサラリーマンが、店主に名刺を渡して、
『新しい店を出したら必ず連絡下さいね！』と言って帰るのを見て、
　まだ学生で名刺を持たない自分は、パッと渡せる連絡先も無く、
　恨めしく思ったりもしました。
　確かにオーナーさんは、新しい場所も物色中で決まってないし、
　ハッキリしたらご連絡します…と言っていたように記憶しています。
　でも、その後、いろいろなラーメン特集の雑誌や、
　こうしてネットの時代になって検索しても、
『深川文六』の名前にお目に掛かれないということは、寂しいことですが、
　廃業されてしまったのかもしれませんね。。
（2010年09月19日 17時38分02秒）






　そういえば、本郷３丁目ネタをもう一つ！　ひろ坊さん
　本郷３丁目の駅を出て、『深川文六』を過ぎ、
　赤門のほぼ向かい辺りだったと記憶していますが、
　カレーの美味しいお店があったような記憶があります。

　多分、喫茶店だったと思うんだけど、
『キリン』という名前だったかな…。
　Kazutaさんは、記憶にありませんか？
（2010年09月19日 17時43分39秒）





　
　Re:そう、店主は人の良い実直な感じの方でした！　lalameansさん
　ありがとうございます（＾＾）

　まぁ自分の父や祖母のアドバイスのおかげで
「深川文六」の味が出来上がったというのはもちろん大げさですが、
　店主の、謙虚にいろんな意見に耳を傾けながら実直に研究する姿勢が
「深川文六」の味をつくりあげたことは間違いないでしょうね。
　店がなくなってからも近所のそれらしい店を探しまくり
（店主でなく店員として雇われている可能性も考慮しつつ）、
　インターネットの時代になってからは検索などで探しまくってみても、
　見つけることは出来ませんでした。
　そういえば、閉店前に店主が、らーめん店以外にもやりたいことがあるって、
　ポロッと言っていたようなことを思い出したのですが、
　しかしそれは現実の記憶なのか夢でみた記憶なのかわからないので、
　言ってなかったことにしておきましょう（笑）

　さっそく赤門前のあたりに行ってみましたが、
　それらしい喫茶店はありませんでしたねぇ……。
　赤門前のほぼ向かいにインド料理店がありましたので、
　おそらくそのインド料理店に変わってしまったのかもしれませんね。
　ボクはあまりカレーに詳しくないのですが、
　本郷のカレーの店でいうと、
　ルオーとかプティフがよく雑誌などで紹介されていました。
　個人的には、「深川文六」の近くのパチンコ屋と喫茶店「ルノアール」の
　すぐ目の前にあった立ち食いそば店「ポイント」の、
「生玉子かけカレーライス」がメチャ美味で、
「深川文六」のらーめんとその店のカレーライスが
　中学時代のボクにとっての２大グルメでした
（2010年09月22日 14時29分51秒）










　このあと別の方が『深川文六』についての思い出を書いてくださったのですが、
　保存忘れしてしまったため、パソコンのダウンにともなって消えてしまいました……。
　学生時代に『深川文六』の近所の「金魚坂」の近くに下宿していた方で、
　マスターにゴルフにつれていってもらった話とか、
　長嶋監督解任に怒った印象からマスターに「長嶋くん」と呼ばれていたという話とか、
　マスターの本名は「石川さん」といって、「VAN」に勤めていて脱サラし、
　深川のらーめん店で修行してのれんわけで店を始めたというエピソードとか、
「文六そば」の試作品の話とか、
　マスターとしばらく連絡をとりあっていたものの、
　しばらくして連絡が途絶えてしまったとか、
　自分にとっての新発見のエピソードの数々だったのですが……。




　ともあれ、久々に「深川文六」で検索してみたら、
　自分のBBSのタイトルのみしか出てこず、
　もちろん消えたままだったので、
　ここでBBSを再現し、再掲載することを思い立ったのでした。




　あと荻窪にあった、白味噌バターらーめんが絶品だったらーめん店「福龍」が、
　2005年に山梨県に移転していたことを検索して知りました。
　いつかまた食べにいきたいなぁ……。
　あと六本木にあった「大八」の元店舗が、
　今も廃墟のように同じ場所に残っていることを知りました。
　ここも甘みのあるしょうゆのタレにまっすぐな細麺が合っていた、
　美味い東京らーめんだったなぁと、いろいろ思い出しました。