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「インファナル・アフェアII」を観ました。
もちろん「インファナルアフェア」の続編なんだけど、内容は過去にさかのぼる。
前作「インファナルアフェア｣で描かれた背後関係がここで明かされる。
「インファナル・アフェアII」だけ見ても、楽しめないので前作を観てから観ることが絶対条件。
前作を観た人なら楽しめるはず、そして前作がいっそう楽しめるようになるはずです。

以下はネタバレの内容です。ご注意を。

「インファナル・アフェアII」の舞台は主に、サムが香港黒社会を牛耳るようになる過程が描かれる。
彼もまた数奇な人生を歩まされることになる一人。
彼とウォン警視との深い関係や過去も明らかにされる。

本作は、黒社会を中心に描いた作品で前作よりもさらにやばい雰囲気が漂う感じだ。
組織のボスが突然何者かに殺されるところから話は始まる。
崩れかけた組織を掌握するまでのハウの手腕がキレまくりで凄い！
家族のため、組織のため、熱い思いと非情な一面が織り成す黒社会のボスを
フランシス・ンが素晴らし演技で魅せてくれていましたねぇ。
本作の見所は間違いなく彼でしょう。

そしてもう一人注目なのがサムの妻マリー。
黒社会に生きる女の生き様を見せつける彼女も存在感抜群ですね！
空港で倒れるシーンは、戦慄が走りました。
物語的にもキーになる存在で、男臭い世界の中で壮絶な生き様を魅せる女性でした。

本作の主演ともいえる、エリック・ツァン、アンソニー・ウォンも堂々たる存在感。
それぞれの思惑や運命に翻弄されながら、生き抜く強靱さと、
生き残ってしまったやるせなさなんかがにじみ出る好演は流石です。
若手二人はかすんでしまってるのが残念ですが･･･。

インファナル・アフェアシリーズでは、完全な善悪の構図ではなく、
すべての人間がそれぞれの善と悪の間で彷徨っている。
その善悪の線の引き方一つに、または線引きできない想いに共感できてしまうんですよね。
その人間模様が繊細でありながら衝撃的に描かれている点が素晴らしい。

「インファナル・アフェア」の時のほど、躍動感ある展開ではなく地味な印象ながら、
丁寧な人間ドラマとしてシリーズに深みをもたらした良作と思います。

【ストーリー】
1991年。尖沙咀（チムサアチョイ）に君臨する香港マフィアの大ボス、ンガイ・クワンが暗殺された。
クワンの跡を継いだ次男ハウ（フランシス・ン）は、知的で物静かな外見の下に策略家と野心家の顔を隠していた。
4人のボス各々の弱みを握った彼は、一夜にして新たな大ボスとしての地位を固めてしまう。
一方粛正を免れたボス、サム（エリック・ツァン）は、ラウ（エディソン・チャン）を警察に潜入させようと考えていた。ひそかに想いを寄せていたサムの妻マリー（カリーナ・ラウ）の口からそのことを告げられたラウは、危険を覚悟で引き受ける。
1992年。ある理由により優秀ながら警察官を断念しなければならなくなったヤン（ショーン・ユウ）は、善人として生きられる残された道としてマフィアへの潜入捜査官となることを決意する。
そして1995年。ハウは事業を拡大して一家の安泰をはかるとともに、
4年前に父を殺した犯人探しに執念を燃やしていたが、ついに証拠を掴む。
クワンが殺された4月11日の命日、すべてのドラマが動きだす…。

2003年/中国（香港）/本編119分/原題:Infernal Affairs II/無間序曲
監督・撮影・制作：アンドリュー・ラウ
監督・脚本：アラン・マック
脚本：フェリックス・チョン
音楽：チャン・クォンウィン
編集：ダニー・パン
出演：アンソニー・ウォン、エリック・ツァン、フランシス・ン、エディソン・チャン、ショーン・ユー、カリーナ・ラウ