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最期の一行 詩✳︎俳句

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2021.11.29
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テーマ:詩(891)
カテゴリ:

黄昏

影絵のような世界に
椋鳥の影は
散骨されていく

セピア色の商店街に
人々は吸い込まれ
無表情のまま
籠を満たしていくけれど
それは本物だろうか

椋鳥の影ほどに
本物だろうか

生温い
二の腕は触れ合うけれど
そこには何もないように
視線は孤独のまま漂う

わずかに傷んだ果実は
店先から空へと
甘い腐臭を放つ

青黒く
とろりと流れる
空気の波は
淡々と人々を帰着させ

積み上げられた
がらんどうの籠は
蛍光灯の光を溜めている

わたしは
星に少しだけ近づける
丘の上へ
無性に行きたくなって

一際冷たそうな
檸檬だけを掴み取った

椋鳥の
影の溶けた夕闇に
迷ってしまわないように

またここに
戻って来られるように



◆いただいた評◆
初連に「影絵」の示唆があり、2連以降、無言、無表情な人々の営みが、みな影絵ではないのか?と問いかけるようです。
また、この詩全体も陰影を中心に情景が描かれて行っています。こういう詩全体への暗喩の仕掛けができるのは、さすがの力量ですね。

5連の果実の腐臭。6連の「青黒く/とろりと流れる」の空気の表情も、この詩を脇役的に、詩情を深くしてくれています。
8連の「星の丘」は、それらから浄化されたというか、脱出するような美しい場所を対照的に置かれていて、そこもホッとする場所でした。
「檸檬」と聞いて、「レモン哀歌」を先に思い出すのは私くらいのもので、これはちょっと梶井基次郎風ですね。でも現状を打破するアイテムというよりは、違和感だらけの現実をちょっとだけクリアーしてに、自分を現実に繋ぎ留めてくれる存在的な感じです。

いいですね。既製品に頼らず、今現在のリアルを取り入れ、向き合いながら、それでいて詩情は深いです。
正直なところ、檸檬よりムクドリのほうがインパクトがあるので、そちらで印象を残していく詩です。またコロナ以降、無言で買い物する人が増えたので、それで余計に無表情な人波の中に生きている感が増しているというのも然りです。リアルタイムな夕暮れが描かれていると思う。名作あげましょう。

1ヵ所だけあります。
4連の二の腕で触れあうで、自身も買い物に入ってる感があります。それなので、7連で「後に残された/がらんどうの籠」が出てくると、そこで自身も買い物が終わった感に感じてしまう。
すると9連の檸檬は、もう一度引き返して買いに行ったみたいになるので、そこの順序感が引っ掛かるんです。その7連初行の「後に残された」はやめたほうがいいです。

 積み上げられた
 がらんどうの籠は
 蛍光灯の光を溜めている

という感じに、6連を受けた7連にしないで、中立的な風景に描いてしまった方がいいと思います。案ですが。

ここからは余談ですが、
これ、駅前とか中心街の街路樹を、ムクドリが寝床にしちゃってるパターンですよね。夕暮れ時になると、ムクドリが群がって、街路樹に寝に帰ってくるんですよ。私、近隣でもこのパターンのところ知ってますし、NHK「ダーウィンが来た」でもやっていたので、全国的にムクドリのこのパターンの行動が増えているのかもしれません。動物が、むしろ人が多い都市部を利用して、棲み着こうとするパターンですね。
なにせハンパな数じゃありませんので、糞害など、結構迷惑な部分もあるので、オオタカかハヤブサが、ムクドリを狙ってやって来てくれると、ちょっとは逃げるので、いいんですけどね。







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最終更新日  2022.08.01 20:01:33
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