れもん・は～と

合宿でもないのに夜明け前に起床して、ビキニの上からパーカーを羽織ったらいざ出陣！

「香とやるのって、昨年の体育祭以来だっけ？」
「こうやって構えてからやるのは、初めてなんじゃない？」
「・・で、どこまでやる？」
「怪我したり泣くまでやったら、シャレにならないでしょ？」
「でも香は、絶対に降参しないでしょ？」
「それはゆみこだって同じでしょ？」

なんて、和気藹々とまでは言わないけど、ごく普通にお喋りしながら海岸の外れって言うか河口近くって言うか、何故か砂が山のように盛ってあってチョッと死角になってるトコまで行って・・・

ジリジリと間合いを詰めるようにしながら隙を窺ってたら、いきなり飛び掛るように蹴りを入れてきたから、甘～い・・って感じで避けた先に勢い良く膝が突き出されてて・・

一瞬、「うっ」ってなったけどソッコー身をかわしたら、そこにまたまた蹴りが入っちゃって、ヤバって思いながら奥襟を掴むみたいに香のうなじを掴んで、体は斜に構えようとしたら、右腕に肘打ちを喰らって、そのまま腕を掴まれて、お腹に思いっきり蹴りを喰らっちゃって・・

今度こそ「うぅっ・・」って蹲っちゃったら、香が覆い被さってきたんで、負けてたまるかって感じでお腹が痛いのを我慢して、逆に裸締めを掛けるように体を入れ換えたら、もがき暴れる香の肘が何発も脇腹に突き刺さって・・

でもそんな事で怯むボクじゃないって言うか、柔道の有段者としてはｷﾀ - .∵･(ﾟ∀ﾟ)･∵. - ｯ!!って感じで、素早く香の腕を掴まえて、そのままグルッと回ったら、★★★★☆って感じで腕拉ぎ逆十字固めの完成です！！ 

必死になって逃げようと呻き声を上げながらもがき暴れる香の鳩尾に、えいっとばかり踵を叩き込んでから立ち上がったら、香はお腹と右腕を押さえて「うぅっ・・」って辛そうな呻き声を上げながら蹲ったままだったんで、「へへ～ん、ボクの勝ちぃ～」ってやったら、香がメッチャΣ( ﾟДﾟ) ｽｯ､ｽｹﾞｰ!!顔で睨んできて、ヤベっ、香をマジで怒らせたかも・・って思ったんだけど後の祭りって言うか・・・

だもんで、ここでとどめを刺しとかなきゃって感じで香の髪を掴んで引っ張り上げようとしたら、いきなり香が飛び掛るように髪を掴んでそのまま圧し掛かってきたから、ボクもひっくり返りながらも香のお腹に脚を絡めて締め上げて、そのまま二人して砂浜の上をゴロゴロ転がって・・

ボクだって負けたくないけど、香だって同じ気持ちって言うか、柔道二段ｖｓ喧嘩五段って感じで、要は女子高生同士の醜い取っ組み合い・・

でもってボクは香の髪を掴んだまま両脚でお腹を締め上げてたんで、いくら砂浜に背中が着いてるからって言ってもボクの方がチョッと有利なんて思ってたら、香がいきなりボクのオッパイを鷲掴みにして・・・

髪を引っ張ろうがホッペを引っ叩こうが（試合前に「顔を叩くのだけは止めようね」って約束してたんだけど・・）、はたまたお腹をギュッと締め上げようが、香の執拗な攻撃は緩まない・・

だったらボクだってって感じで、ボクも同じようにやり返したら、香の顔がチョッと歪んだけど、やっぱりって言うか何と言うか・・・

そのまま膠着状態って言うか、相も変わらずって言うか、砂浜で取っ組み合ってたら、急に香の動きが止まったって言うか視線が泳いでるって感じで、つられてボクもソッチを見たら・・・・

ボクらと同じ年くらいのボディボードを持った二人組（♀）が、呆れたような表情で５ｍくらい離れたトコからこっちを見てた・・

でもって良～く見たら、一人は香の従兄妹でもう一人は隣の海の家にいるコ・・

でもって何故だか分んないうちに第２ラウンド開始って感じで、手こそ出さなかったけど口喧嘩みたいになっちゃって・・・

そうこうしてる内に空が明るくなってきて、ヒトの声も聞こえ始めたから、何となく散会って感じだったけど、あのままだったら大乱闘は必至って感じで・・・

でもよくよく考えたら、夜明け前の砂浜で、ビキニ姿の女子高生同士が、互いに相手のオッパイを鷲掴みにしながら転げまわってるって、今になって考えてもありえないって感じで・・・