OSAKAらいふ。

オリバー・ストーン監督ってちょっと苦手。
独特の重い空気感が映画の中に漂っていて見終わった後疲れます。
プラトーンのような現代の戦争映画ってもともと
あまり観たくない部類でもあります。

9/11、何が起こったのかきちんと把握できていないままに
ビル内の人を避難させるために現地へ向かった警官達。
続々と避難をしていく大勢の人たちと逆方向に
進んでいかなくてはいけない。
しかし、実際に救助活動に入る前にビルの崩壊で
ガレキの下に埋まってしまい・・

今回の映画は、実話をもとにしたもの。
モデルとなった（元）警官達のインタビューをみたけれど、
実際のできごとに忠実に、と注文をし95％実現したというような
ことを言っていました。
その分ドラマティックな展開はありません。
埋まったまま身動きのとれない二人の警官が話をするシーン。
家族が心配でいてもたってもいられない様子。
合間合間に当時のニュース映像が挟まれます。

この日、私は「ニュース23」を見ていました。
臨時ニュースで飛び込んできたビルから煙があがっている映像。
最初は誰もが事故だと思っていたのに、中継の最中に起きた
二つめの衝突。
その後はペンタゴンにも墜落したりと一晩中ニュースを見ていたのを
覚えています。

映画の最初の方では動悸がして、涙が出てきました。
悲しいとかそういうのではなく、動揺していたみたい。
外国の事件だけれど、連日報道される目を疑うような映像が
自分に与えていた影響って知らず知らずのうちにかなりあったんだな・・

映画の中では、書類が舞い落ちるシーンや崩落のシーンは
わずかしか出てきません。
飛行機そのものも影と音で一瞬出てくるだけ。
私でもかなり動揺したのだから、アメリカ国民はきっと直視できないのかも。
フラッシュバックさせるようなシーンはできうる範囲内で
減らしたのではないかと感じました。

フィクションなら救出されてよかった、で終わるところが
これは実話。
ビルの中で亡くなった人、飛行機に乗っていた人、
助けに向かって命を落とした警察官や消防士。
同じように生き埋めとなり、助けを待ちながらそれが叶わなかった人は
いったい何人いたのだろうか・・・

アメリカって、外に戦争しに行くけれど、自国内で他国と
戦った事がない。
戦争中でも国の中では平和な生活をしてきたんですよね。
私たちの世代は、親が子どもの頃に戦争を体験していて
まだ戦争という物が近くにある気がします。
子ども達は別。
しょせん遠い昔の話、遠い国の話でしかない。
やっぱり映画のように現実としてとらえられていません。
アメリカ人もそうだったんじゃないかな。
それがあの事件でいきなり目の前に突きつけられた・・
そのショックがあの国の進む方向を歪めているような気がします。

アメリカの文化や土地には憧れがあります。
とても興味がある。
でも国としては。
中東でのやり方とかを見る限りではどこか間違っているとしか
思えない。
でも映画に出てくる、「助けに行かなくては！」という
衝動に駆られて行動する人たちは実際に大勢いた。
そこに希望を感じました。

なんか堅い記事になっちゃった。
それだけいろんな事を考えながら観ていたということです。
映画を観ながら考え事をしたってすごく久しぶりかも！

主演のニコラス・ケイジ、劇場で観たのは
「ナショナル・トレジャー」以来です。
　　日記はこちら→ナショナル・トレジャー
前回”なんか太ったな・・・”と思ったけれど
今回はスリムになってオナカもへっこんでました。
無精ひげにまざる白いものに年を感じてしまいました。

ニコラス・ケイジ出演作品　
　　　　　　


オリバー・ストーン監督作品