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浦島太郎のつれづれ日記

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Nov 19, 2006
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カテゴリ:カテゴリ未分類
息子が言葉を発したのは2歳3ヶ月の頃、祖母が近所で拾ってきた木の葉をこれが「葉っぱ」だよと教えているときでした。
このとき、突然、「はっは」と息が漏れるような無声音で、しかし明確に意図を持って発せられたのでした。是が息子の発した最初の言葉です。
実はそれまでずっと、祖母は「パパ」だよと教え込んでいたのに、パパとはまったく発声できず、「はっは」にいたったのです。そのことは、その頃のパパの存在が1枚の木の葉にあっけなく敗れるほどの軽いものであったということを如実に物語っています。

葉っぱの次に話したのが、数字です。もちろんすべて相手にわかるようにうまく発音できたわけではありません。とくにサンとロクははっきりせず、ガンとボンに近い音になっていました。その後間もなく、かけ算の九九を覚えました。変わったパターンだなあと思いながらも、それでも、少しづつ一般の語彙が増えていったのでした。
多少は変わっていても生活が身につく兆しが出てきたことで、自閉症の深刻さを意識はしてはいても心の底ではいくらか安心もしていたのだと思います。

ある日、妻の実家で妙な事件が起こりました。
両親と一緒に食事をしていると、何やらイカを焼いたような香ばしい臭いが漂ってきました。何も心当たりはないのにと電器ストーブのほうに目をやると、息子の足が電器ストーブに接して焦げているではありませんか。
彼はどうやら感覚にも障害があるようでした。
1歳直前に40度近い高熱を出してもへらへらと元気に見えたのも全身の感覚システムが障害を受けていたからではないのかとこのとき思いました。

よくよく考えてみると、この頃までにちょっとおかしいと思うことがいろいろと出てきていました。
抱っこしたときに体が反って抱き難い。同様に、おんぶしたときの姿勢がちぐはぐでおんぶし難い。
語彙はどんどん増えてはきたが言葉が不明瞭。
食べ方が汚い。好き嫌いが激しい。
歩き方がぎこちない。したがって、よく転ぶ。
公共の場で、例えば公園などでなかなか親を見つけられない。
口周り、足など特定部位の感覚が鈍い。
音や匂いなどには敏感。
子供がとくに苦手。
やはり、これから大変なことになるなあ、との思いは強まってきていました。

しかしながら、彼が2歳になる頃には娘が産まれ、そのことによる忙しさも手伝って、そしてさらには娘が1歳になる前には娘の障害も徐々に明らかになってきたこともあって、息子の少々変わったところは気にはしながらも息子一人にかまってばかりはいられないというのがこの頃の実情でもありました。








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Last updated  Nov 19, 2006 02:08:07 PM
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