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「オレのせいだよね」と息子がぽつりと答えました。
妻は言葉を繋げませんでした。 「最近、ストレスで胃が痛くて」と何気なく呟いた妻の一言にいつもは人の話などまったく聞いていないあるいは聞いていてもぎこちないやり取りになるはずの息子がごくスムーズに自然に反応したのでした。 何も考えてないようでも、彼なりに気にしていたんですね。 それとも、知らず知らずのうちに彼も成長していたということなのでしょうか。 休み中、何をするでもなく、家でぶらぶらしていることを私達はことあるごとに愚痴にしていたのだと思います。 ずっと家にいるのだったら、ちょっとくらい手伝いでもしたらなんて言いながら、食器の後片付けや掃除の役目を与えていました。家族の一員として当然のこととして。 感謝の気持ちに欠けた、当然のこととしてという私達の態度が彼をつらくさせていたのかもしれません。 あるいはそんな心の機微にまで彼の思いは至るはずもなく、ただ単に叱られたと思って殊勝な態度になっただけなのかもしれません。 いずれにしても、私達の彼に対する態度は思い遣りのかけらもない、それこそ家族の一員としての優しさにも温かみにも欠けた情けないものであったことだけは確かでした。 「オレのせいだよね」なんて哀しい言葉を言わせてしまいました…。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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