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高機能広汎性発達障害の割にはこだわりが目立たないと思っていた息子だったのですが。
娘のパニックが余りに酷くて夜中に眠れない日が続くので、家内と交代で避難できる部屋の確保のため、我が家で一番いい部屋を占領しているグランドピアノを売ろうかという話になったのです。 もっとも、私自身は冗談半分だと思っていたのですが。 息子は家内からそのことを聞くと「想い出が詰まっているので売らないでほしい」とジワッと涙を滲ませたとのこと。 息子の部屋には電子ピアノ?(YAMAHAクラビノーバ)があるので、息抜きをしたいときにはいつでもそれを弾けるから「別に構わない」と言うと思って話をしたそうなのです。 実際、普段はそれを弾いていてグランドピアノはもう何年も弾いていませんでしたので。 ところが、息子は家内のグランドピアノには合唱コンクールの時に一生懸命練習した想い出が詰まっていると言うのです。 当時、何もできないのに無謀にもクラスのピアノ奏者に立候補して担任の心配をよそに最終的にジャンケンを勝ち抜いて演奏者に決まってしまったのでした。 その後、1ヶ月以上、家内のマンツーマン指導のもと毎日練習したものの前日までには仕上がらず必ずどこかミスしていたのに、本番だけはノーミスで弾き切り我が家に感動をもたらしたのでした。 なにより、当時の担任の先生がフォローしてくれてクラスを盛り上げ、本当に喜んでくれたことが私たちの感動をさらに深めたのでした。 息子はこの担任のことが今も好きで時折話にも出ます。 息子の想い出はそれも含めた想い出だというのでしょうか。 それとも、家内のグランドピアノに対するこだわりということなのでしょうか。 それにしても、息子自身がこれまでに感動とか想い出に浸ってとかでジーンとくることがなかった息子が涙を滲ませるなんて、なんだか不思議な気分です。 とはいっても、私たちが倒れてしまっては取り返しがつかないので、グランドピアノは引き取ってもらうことにして、グランドピアノを家内の実家から引き取る前まで家にあったアップライトピアノを入れることで代替してもらうことで説得しました。 最初、息子はどうしても嫌だと言っていたのですが、ホントはクラビノーバだけでピアノは我が家には不要だというところを基本になんとか合意にこぎつけました。 でも、本当は、家内がやはりピアノが無くなるのが嫌だったようなのです。 息子のせいにして、代わりにアップライトピアノを買うことに積極的だったのは実は家内だったのですから。 グランドピアノを持ち出した後にくるアップライトピアノの置き場所を喜々として考えているのを見ると、まあ、ここは息子のためということにしておいてあげるのが最善なのでしょう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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