棚ぼたでゲットしたチケットで行ってきました青山劇場。SHIRO以来の新感線、何の前知識もなく行ったら…やられました。これは、今年のマイベストワンかも。
そもそも原作がすごすぎなんだな。隆慶一郎の「吉原御免状」。ネットで調べたら、松岡正剛氏が自身のブログでやはり激ホメしてました。この作家の本はまだ一冊も読んでいなかったのが悔やまれます。松岡氏によると、隆氏はもともとテレビドラマなどを書いていた方で、61歳にして初めて書いた小説がこの「吉原御免状」なんだそうで。これだけのお話を書く方といえば、私の中では山田風太郎、国枝史郎に並ぶVIP。吉原という華やかな色町に潜む影の部分を浮き彫りにする視点には、物事の本質を鋭くとらえるまなざしと柔らかな知性に溢れていて、それがこの物語を豊穣に膨らませていく。
原作の厚み、脚本の巧みさに加えて、俳優陣がこれまたすごい出来。特に主人公の堤真一は、今までで一番の出来なのでは。昔、野田MAPに主演した舞台と比べると、天と地ほどの違いがある。ものすごく良い俳優さんになりましたね~、第一、こんなにかっこいい人、めったにいないでしょう。背が高いので舞台では非常に映えるその容姿に、立ってるだけでまずノックダウン、古田新太との立ち回りの格好よさに更にノックダウン、女優との色っぽいシーンに更に更にノックダウン、そして極めつけはふんどし姿に決定打のノックダウン!劇場内にはノックされっぱなしの女性人のため息がしきりに(聞こえたような気が~!)。相手役の松雪泰子は、テレビでしか見たことなかったので舞台はどんなものやら不安だったけど、これまた華奢で小股の切れ上がったイイ女っぷりで、今回の役柄、憂いを含んだくのいちにピッタリ。花魁の京野このみは、確か昔「頑張れげんさん」のCMの子役だったでしょうか?こんなに色っぽくなっちゃって、おばさんはびっくりでした。悪役の古田新太も定番はまり役の悪役だし、おひょうさんの長老はとぼけた味が絶妙だし、尼さんの高田聖子はもう出てくるだけで安心するし、いやはや、とにかくこれは大いに堪能致しました。もう一度でも二度でも観たい舞台でございました。
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