一昨日14日で、アベノミクスが実質半年を迎えた。現・安倍内閣の正式発足は昨
年年末の12月26日のことだが、それより1カ月半ほど前の11月14日、バラマ
キスト民主党政権最後の宰相の野田首相が、野党第1党の自民党総裁だった安倍氏に
党首討論で衆院解散を表明した翌日から、アベノミクスは実質起動した、とみなすべ
きだろう。
翌日から、為替と株式市場が顕著に反応したからだ。
◎半年で「大地が動いた」
半年と1日たった昨日15日の為替相場は、1ドル=102円35~43銭(午後
5時現在)、1ユーロ=132円10~12銭(同)だ。そして株式市場は日経平均
1万5096円03銭と、実に5年4カ月ぶりに1万5000円台に乗せて引けた。
昨年11月14日の終値が、それぞれ79円90銭、101円72銭、8664円
73銭であったことを思えば、まさに「大地が動いた」ほどの大変化である。当時、
ドルやユーロを買っていた人、株価指数に連動するETF(上場投資信託)を買って
いた人なら、わずか半年で巨富を築いたであろう。何しろ株価は平均で73%以上も
値上がりしているのだ。
銀行・生保・事業会社とも持ち合い株の含み損が消えて巨額の含み益となったし、
年金基金も大きな利回りを達成できた。
◎地獄から天国へ、某大手証券の知人
先日会った某大手証券会社に勤める知人は、08年のリーマンショックの年に入社
し、それ以来、よいことが全くなく、この5年で同期入社者の半分(!)が辞めたそ
うだが、「やっと春が来た」と喜んでいた。
新人時代は、新規顧客開拓に飛び込み営業をやらされる。ところが訪ねど訪ねど、
インターフォンを鳴らしても話すら聞いてもらえなかった。その屈辱感と挫折感に耐
えられず同期入社組がどんどん辞めていったわけだが、昨年末あたりから投資信託も
目に見えて売れ出した。今は市場が大活況なので、夏のボーナスは、大いに期待でき
ると喜ぶ。
そうした資産効果は、デパートの高額品売り場の賑わいとなって昨年暮れの年末商
戦でまず現れ、最近ではタクシー乗車率の向上など身近なものにも波及している。
資産効果が身近なものにも波及するドリップ効果で景気回復につながっていくが、
本日記を読む読者は景気回復を実感できるだろうか。
◎地盤沈下で傾いた旧聖堂
さて好例のメキシコ周遊の再開である。
グアダルーペ教会に到着すると、不信心者である我々は、まず旧聖堂などを外から
観る。中には入らない。
内部に入って見学したのは、超モダンな「空飛ぶ円盤」状の新聖堂である(
写真上は新聖堂の内部)。そもそも旧聖堂は、1709年に完成したものだが、ここもなお
旧テスココ湖跡なのだろう、地盤沈下のために傾いてしまい、1976年に新しく超
モダンな聖堂が造られたという(
写真中央=「空飛ぶ円盤」状の新聖堂と旧聖堂)。
確かに旧聖堂は、それと言われなくても明らかに傾いているのがすぐに分かる(
写真下=右の建物に比べて左に傾いている。なお写真中央の旧聖堂を側面から見たカッ
トだと、傾いているのが分かる)。それでも古い文化遺産なので、壊さないで保存さ
れているのだろう。
◎マリア様の絵はエスカレーターに乗って拝顔
で、我々は新聖堂に入るのだが、ここで観るのはただ褐色のマリア様の絵だけ。
「世界3大奇跡」の1つにもなっていて、あまりにも信者たちからありがたがられ
ているので、マリア様の絵の前は、立ち止まれないようにエスカレーターとなってい
る。つまり否応なく、マリア像にはほんの数秒でお別れするようになっているのだ。
確かに平日だったが、聖堂内は混雑し、後から後から信者たちが押し寄せてくる。
混雑していたのは、世界中からやって来る信者たちにひっきりなしにミサを行ってい
るからだろう。
かつてヨハネ=パウロ2世もここに来たとかで、旧聖堂の脇に大きな銅像が建って
いた(
写真下の左に見える銅像)。「空飛ぶ法王」と呼ばれたパパ様であれば、カト
リック大国のメキシコに来なかったはずはないし、メキシコを訪問したとなれば、グ
アダルーペ教会を訪ねるのも当然であろう。
昨年の今日の日記:「大地震予言は、現代の『ミュンヒハウゼン男爵』か、はたまた
『カサンドラ』か」