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2023.06.26
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カテゴリ:現代史
 ついに、とうとう、だった。
 ロシア民間軍事会社「ワグネル」が23日夜、武装蜂起を宣言し、プーチン政権に反旗を翻した。

​◎反乱、1日で収束、プリゴジンはベラルーシに亡命​
​ 一時、南部ロストフ州の州都ロストフナドヌー(写真=ロストフナドヌー市街地に展開するワグネル部隊)からその北方のボロネジ州に侵攻し、さらに首都モスクワまで数百キロまで迫った。​



​​ しかし勢いは、そこまでだった。プーチンがテレビで、ワグネルを「裏切り者」と処断して投降を求め、反乱に参加した者は全員処罰」と5分間にわたって恫喝した(写真)。



 夜にプーチンの手下の隣国ベラルーシのルカシェンコが介入すると、ワグネルの創設者プリゴジンは一転して「元の拠点に戻る」として、ワグネルは占拠したロストフナドヌーのロシア軍南部軍管区司令部などから撤退を開始した(写真)。プーチン政権も情報機関FSBも、ワグネル戦闘員の罪を問わないと表明した。​​



 反乱を企てたプリゴジンは、ベラルーシに亡命することになった。

​◎ワグネル、ゲラシーモフらの指揮下に入る命令​
 ワグネルの反乱はたった1日しかもたなかったが、そもそも優勢なロシア正規軍に対し、本格的な戦闘になれば、勝ち目はない。だから、なぜプリゴジンが反乱を起こしたのか、謎である。
 国防相ショイグが10日、ワグネル戦闘員に対し、国防省との直接契約を命じ、プーチンもこれを支持したため、ワグネルに対する支配権が奪われるとプリゴジンは危機感にかられていたようだ。溜まりに溜まった不満いっぱいの国防相ショイグと参謀総長ゲラシーモフの指揮下に、手塩にかけて育てたワグネルが入ることになる。プリゴジンには、耐えられなかったに違いない。
 一か八かで、反乱に出たのかもしれない。ロシア国内の一斉蜂起も期待したのだろう。
 とすれば、かなり甘い。それでロシア国内が内乱に陥るなら、とっくに各地で小規模な衝突が起こっていたはずだ。ウクライナとの国境でゲリラ戦を仕掛けるロシア義勇軍などの動きは散発的なもので、まだとても面的な広がりはない。

​◎プーチンのデマは暴かれた​
 今後、ワグネルは解体され、戦闘員はロシア正規軍に編入され、懲罰として最前線に投入されるだろう。
 プリゴジンは当面はベラルーシで安泰だとしても、ルカシェンコはプーチンの部下に過ぎない。プーチンの怒りが沸騰したら、ロシアに引き渡される可能性大だ。
 それでも、プリゴジンとワグネルの蜂起は、対ウクライナ侵略戦争に勝っているとデマを振りまくプーチンとロシア正規軍に対する激しい「異議申し立て」となった。一次的にせよ、プーチンの独裁的な権威に挑戦がなされ、地方軍司令部が占領されるという事態となった。
 鉄のプーチン支配に、小さな亀裂が入ったことは間違いない。
 今後、ウクライナ防衛軍の反攻が進めば、一次的にせよ動揺したロシア侵略軍はもたない可能性が出てきた。

昨年の今日の日記:「札幌周遊記2022④:明治の先端酪農を展示する野外博物館『札幌農学校第2農場』を観る」https://plaza.rakuten.co.jp/libpubli2/diary/202206260000/​





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Last updated  2023.06.26 05:30:27



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