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2023.11.03
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カテゴリ:旅行紀行


 一乗谷朝倉氏遺跡は、のどかな山間の遺跡だった。近くに町並みが無い。また戦国時代には重要なインフラであった湊も無い。なんでこんな所に朝倉氏は城を造ったのか、といぶかるほどの辺境の地だ。

​◎山城までは大変な山行​
 ただ幅300メートルほどの谷間だから、谷の上下さえ守りを固めれば攻められにくいかもしれない。また冬季は雪に閉ざされるので、冬は自然の要害となる。織田信長の度重なる上洛、つまり家来になることの要請を断った朝倉義景には、守りに自信となったに違いない。
 ここに、盛期には約1万人が住み、京に次ぐ北陸の都邑となった。一時期は、京を追われた足利幕府15代将軍の足利義昭を招いて庇護した。だから領主館の山側には、京風の庭園がいくつも造られていた。
 前回も述べたが、城郭、一の丸、二の丸、三の丸があったのは、領主館の背後にある山城「一乗谷城」(標高473メートル)で、館からはちゃんと足拵えをして1時間ちょっとかかるという。したがって殿様自身は、山城には住まず、谷を南北に流れる一乗谷川の右岸に造られた領主館に暮らしたという。

​◎一乗谷朝倉氏遺跡の見学コース​
 僕らの乗ったバスは、「復原町並(ふくげんまちなみ)」すぐ南の駐車場に着いた。そこで、65歳くらいのおばさんガイドさんが待っていて、僕らを遺跡案内に導いてくれた。
 順路は、まずすぐ北隣の復原町並に行き、そこを観て、更地になった武家屋敷跡、そして川を渡って檜皮葺(ひわだぶき)の唐門から朝倉館跡を参観し、そこからちょっとした石段を登って丘の中腹に造成された湯殿跡庭園、中の御殿跡、諏訪館跡庭園とめぐり、下の上城戸跡に下りて行き、駐車場に戻る。これで約1時間の行程だ。脚に自信の無い人は、湯殿跡庭園から下に降りて、復原町並をもう1度、じっくり観てもいいとの案内だった。

​◎狭い町屋が軒を連ねて​
 まず復原町並だが、おそらく当時の町屋についての知識に基づいた復元で、北国にしては寒そうな板張りの小さな住居が軒を連ねている。豪雪地帯だから、雪も大変だっただろう、と思う。
​ 風も強いのか、板葺きの屋根に石を載せている(写真)。



 最初の町家に入った。入ってすぐの土間にどかんと井戸が造られている。庭にもあるのに、屋内に井戸を造るのは、また贅沢と言うべきか。ガイドのおばさんによると、当時は井戸を持つことが豊かさを示すことだつたという。
​ 町屋が、軒を連ねて建っている(写真)。



​◎復元された武家屋敷​
 道は、幅6メートルくらいで、道を隔てた向かいは武家屋敷跡だ。ただしこちら側武家屋敷跡だけは、復元住居は無い(写真)。今の技術で造るとなると、かえって高いものになり、すぐ雪も含めて降水量が多いのですぐ老朽化し、メンテナンスが大変だからだろう。町屋の並びの一角でも、復元住居を建築中だった。



​ 復原町並の一角に、1軒だけ武家屋敷が復元されていた(写真)。​





 ここは、さすがに他の町屋より広い。離れに3畳間ほどの茶室も復元されていた。また50分の1の縮尺という、当時の町並みのミニチュア模型も中に設置されており、当時の町並みのイメージが湧きやすい(写真)。​



昨年の今日の日記:「ロシアの東部の飛び地カリーニングラート州は守備部隊がウクライナで壊滅し、今や空っぽ」https://plaza.rakuten.co.jp/libpubli2/diary/202211030000/​






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Last updated  2023.11.03 04:52:30



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