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カテゴリ:金融と投資
日曜日の朝、NHKニュースを観ていたら、SNSを通じた投資詐欺の被害が急増しているという。 ◎LINEの著名投資家に友だち登録して 何を今さら、と思ったが、観ていると40代の女性被害者がカメラの前に出た。友だち登録したLINEで著名な投資家のなりすましから、数回に分けて約2000万円を振り込み、その後、連絡がとれなくなったという。 この著名投資家のなりすましLINEでは、たくさんの「生徒」がいて、それからいかに儲かったかの投稿が引きもなく書き込まれ、ついつい送金に応じてしまったという(図=LINEの投資詐欺の例)。 「一生懸命貯めたお金なので、少しでも戻ってくれば」と、その女性は訴えていたが、その可能性はゼロに近い。振り込め詐欺と似たこうした詐欺事件では、犯人、または犯行グループが立件されて、有罪が確定した後、司直に凍結されていた犯人、または犯行グループの資産が、被害額に応じて配当されるのだが、資産が残っていることはほとんど無い。 ◎海外旅行にも行かずブランド物も買わず? 貯蓄に励んだ果てに だから戻ることは、まず無い。これまで振り込み詐欺で騙し取られたお金が戻ってきたという話をほとんど聞かないのは、犯人、または犯行グループが騙し取ったお金を遊びや賭博でほとんど蕩尽してしまっているからだ。 一般論は別にして、この40代女性のは、とうに結婚を諦めたお一人様だろう。大学を出た後、たぶん約20年間、OLをしながら老後のためにこつこつ貯めたお金で、この間、海外旅行にも行かず、ブランド物の服やバッグも買わず、ひたすら貯蓄に励んだのだろう。それを騙し取られたのだ。 深く同情する。この挫折感から、当分は立ち直れないのではないだろうか。 ◎月決めでインデックス投信に投資するという金融知識を持っていたら 貯蓄2000万円を何回かに分けた騙し取られたというから、銀行預金なのだろう。 この女性が、そんな俄投資話に乗る前に、少しでも金融知識があったら、当時はまだ制度の無かったNISAは利用できなかったとしても、大手証券会社の開設していた口座で日経平均インデックス投資信託を毎月、月給日にコツコツ投資していたのなら、バブル崩壊後だったので、目立った暴落もないから、かなりの資産を築けたはずだ。 例えば当時はバカ高かった証券会社の手数料や信託報酬を考慮しないとしても、20年前の2003年12月30日の日経平均は1万0676円だった(グラフ)。前年同月比で約2100円高で、今後も戻り高値を試せたはずだ。毎月同額を投資するドルコスト平均法なら安値の時は多くを買えるから、一時的な含み損でもめげることはない。 ◎日経平均は20年間で3倍に 今年の年末がいくらで引けるかはまだ分からないが、20年前の3倍という日経平均はキープできるだろう。 怪しげなSNSでひっかかったのは、この女性が投資のイロハも知らない「ウブ」だったことを示すが、もっと確実な投資法があることを、友人や親族が伝授していたらと惜しまれる。そんなことを相談できる友だちもいなかったのだろうか。 昨年の今日の日記:「米中GDP逆転は起こらず、習近平の大失政で世界が望んだ見通し」https://plaza.rakuten.co.jp/libpubli2/diary/202212180000/ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2023.12.18 05:47:21
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