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2023.12.28
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カテゴリ:現代史


 なりふりかまわず国民を戦争動員するテロ国家ロシアで、ネパール人国民を採用して最前線に送り出していることが分かった。

​◎200人のネパール人兵士がウクライナで戦闘に従事​
 12月上旬、ロシア侵略軍に動員されたネパール人6人が、ウクライナで戦死していたことが判明した。
 これを重く見たネパール政府は、ウクライナ侵略戦争への自国民の参加を取り締まろうとしており、またロシア政府にもネパール人の兵士採用の停止を求めている。
 同国のダハル首相は、最大で200人のネパール人がロシア侵略軍に加わっている可能性がある、とし指摘した。
 同国では、ロシアに約9000ドルで兵士を密出国させたブローカーも逮捕されている。
​ ちなみに「出稼ぎ」国家ネパールでは、そもそも自国内に良質な職場は少なく、日本にも大量に不法就労を含めてやって来ている(写真=ネパール第2の都市ポカラの露店)。​





​◎グルカ兵を世界に派遣した歴史​
 そのうえ歴史的には、他国の軍に加わるのは別に珍しいことではない。過去に山岳民族出身のグルカ兵が、イギリス軍に大量に加わっていたことがある。グルカ兵は、勇猛果敢な兵士として知られている。
 1809年にラホールのマハラジャによってグルカ兵が登用された。ネパールとイギリス東インド会社軍との戦争(英・ネパール戦争)の頃から東インド会社もグルカ兵を登用するようになった。ネパール山岳民族特有の尚武の気性を持ち、白兵戦能力に優れ、宗教的な制約が少ない。

​◎勇猛に称えられたグルカ兵​
 その後、1857年10月に「セポイの乱」が発生すると、ネパールは1万4000人のグルカ兵を派遣し、イギリス軍が行った鎮圧戦で大きな戦力となった。派兵された山岳民族にとっては重要な「出稼ぎ収入」となりネパール政府にとってもこれまた外貨獲得源だった。
​ 第二次世界大戦では、イギリス軍に雇われて日本軍とも戦った(写真=戦後の1946年に連合国軍の一部として広島の呉に進駐した第5グルカ連隊)。​



​ イギリスの首都ロンドンの国防省そばには、グルカ兵を顕彰する碑も建てられている(写真=「勇者の中の勇者。寛大な者の中の最も寛大な者。貴方がたほど忠実な友人を我が国は他に知らない」と碑にある)。​



​◎ロシア侵略軍に加われば欧米に行けるという幻想で​
 ネパールは、国連総会ではテロ国家ロシアの侵略戦争を非難する決議に賛成しているから、国家として自国民をウクライナ侵略戦争に送っているわけではない。
 ロシア侵略軍に加わった約200人は観光や就学のビザでロシアに入ったと見られ、ブローカーによると高額報酬やロシア国籍の取得を餌にしてロシアに送っていると見られる。人口減の著しいテロ国家ロシアは、占領・併合したウクライナ領のクリミアや東部4州でも、半ば強制的にウクライナ人にロシア国籍を取得させ、一部は侵略軍にも加えている。
 ロシア侵略軍に加わったネパール人若者も、戦争への参加が豊かなヨーロッパ諸国に入る近道と考えて者が大部分らしく、こんなに危険で長引く戦争とは思っていなかったようだ。ちなみにロシア国籍を取得できても、今、テロ国家ロシアは欧米諸国から大規模制裁を受けているので、ロシア国籍では欧米には行けない。
 だからロシアに渡ったネパール人は、犬死にのリスクと紙一重だ。
昨年の今日の日記:「秋葉復興相更迭で岸田内閣、これで4人目の首のすげ替え:そして誰もいなくなる?」https://plaza.rakuten.co.jp/libpubli2/diary/202212280000/​






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Last updated  2023.12.28 05:17:49



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