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2024.02.13
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カテゴリ:現代史


 スターリニスト中国のマーケットから海外資金が逃げ、それに対してスターリニスト中国当局が必死になって株価浮揚策をとっている。

​◎政府系ファンド、年金基金など公的資金を投入、国有企業にも買い命令か​
​ 現在、春節でマーケットは休場だが、その直前の2月5日、上海総合指数は約5年ぶりの安値に沈み、株式市場の崩壊に危機感を抱いたスターリニスト中国の国家隊がその日から株価維持策(PKO)に挑み、翌日にはスターリニスト中国証券監督管理委員会が市場安定に注力する旨のコメントを発し、同日に政府系ファンドである中国投資(CIC)傘下の中央匯金投資(匯金)、証券会社に信用取引の融資を提供する中国証券金融、公的年金を運用する全国社会保障基金理事会という「国家隊」(=国家隊)がETFを買い増したと公表した。



 5日からの4日間で、「中証1000」に連動する南方基金のETFに170億元(約3600億円)もの国家隊の資金が流れ込み、総資産額は流入前の4倍に膨張したという。
 さらに新たな報道によると、当局は国有企業に海外に保有する資金を引き揚げさせ、中国株の購入に充てるよう命じようとしているともいう。噂では、この取り組みで2兆元(約40兆円以上)もの資金が動くそうだ。

​◎スターリニスト中国から逃避した資金の一部は日本へ​
 スターリニスト中国の株安は、不動産市場の暴落、成長率の鈍化、人口減と高齢化、共産党の民営企業への介入への不安など様々な要因が絡み、主に海外の投資家が逃げ出しているからだ。
​ 外国人による中国株売りを映す香港経由の相互取引では昨年8月に過去最大の896億元(約1800億円)の月間売り越しを記録し、1月まで6カ月連続の売り越しとなり、この間、2011億元もの資金が流出している。それでも海外勢は中国株を売り切っていないという。その資金の逃避場が東京であることは、衆目の一致するところだ(グラフ)。​


​◎日経225ETFは大人気に沸騰​
 規模は分からないが、国内の個人投資家も、どんどん安値を更新する自国株に見切りをつけている。上海総合指数は過去3年で21%超も下落し、上場株の7割を保有するという個人投資家は大きく痛めつけられている。
 その反映が、上海に上場されている日経225ETFの爆発的人気化だ。国内株を売った資金が同ETFに流れ込み、1月27日~25日にかけ、連日、一時売買停止となった。
 日本と違って、中国の個人投資家は、好調なアメリカ株や日本株を買えない。個人の資産の7割を占めるとされる不動産もずっと値下がりしている。中国人投資家にとって、日経225ETFへの投資は資産防衛の唯一の手段なのだ。

​◎証券監督管理委員会トップもクビ​
 そうしたトレンドに対してスターリニスト中国の証券監督管理委員会の打った手が、まず昨年から始まった空売り規制の強化だ。国家安全省は、反スパイ罪の摘発までちらつかせている(2月12日付日記:「国家総動員で反スパイ監視締め付けが強化されるスターリニスト中国の暗黒」https://plaza.rakuten.co.jp/libpubli2/diary/202402120000/を参照)。
 ところが1月28日の証券監督管理委員会の空売り規制強化の表明にもかかわらず、市場は2月5日の5年ぶりの安値で応えたのだ。
 そしてついに6日の国家隊による本格的PKO(株価維持策)となった。
​ さらに7日には、株価暴落を防げなかった証券監督管理委員会主席の易会満(写真=昨年6月に撮影)を罷免した。


​◎日本のPKOもほとんど効果無し​
 国家による強引な株買いに、さすがに上海株式市場は好感し、6日から8日の休場前日まで3日間で約5%上げた。
 このまま中国株は、上昇基調をたどるのか。多くの海外投資家は懐疑的だ。
 ファンダメンタルスが悪く、改善のための根本的な手が打たれていないのに、国家隊による株買い支えは、効果が続かないという考えだ。
​ 実際、2015年の「チャイナ・ショック」時も、国家隊はPKOに動いた。この時、1.3兆元もの介入があったが、株価底入れをできなかった。その結果が、今日に株安だ(5日の最安値は2653.64で、8日終値は2866.76=グラフ)。​


 PKOは、効くのか? 実は日本も、バブル崩壊後の1990年代に何度かPKOが行われたが、結果的にはほとんど効果が無かった。ファンダメンタルスに改善が見られなければ、政府の介入でPKOを行ってもムダだということだ(ただし当時買ったETFをその後も持ち続ければ、安倍政権後の右肩上がり相場で大幅な含み益になった)。

​◎PERは10.4倍と割安感はあるが……​
 ちなみに6日~8日までの上海株の約5%上昇したが、これには個人の便乗組もあったかもしれないが、海外投資家はほとんど様子見だった。
 一部の海外機関投資家の中には、中国株は割安で、今は買い場という見方がある。確かに株価尺度を示すPERは10.4倍まで低下し、日経平均の約16倍、アメリカのS&P500全体の約20倍と比べると割安感はある。
 しかしアメリカ株の一見割高さは、経済の力強い成長を背景にしており、将来も企業業績が伸びていくとなれば、20倍もちっとも割高ではないかもしれない。それに比べてスターリニスト中国はどうか。

​◎ファンダメンタルスの悪化を考えればちっとも割安ではない​
 株価反発の中の8日、国家統計局の発表したスターリニスト中国の消費者物価指数(CPI)は、前年同月比0.8%の下落で、下落は4カ月連続となった。いよいよ悪性デフレの入り口にさしかかっていることが確認された。
 物価が下がり、資産デフレとなり、経済が縮むのも間近となれば、企業の不良債権、銀行の不良資産は積み上がっていくばかりだ。PER10.4倍も、ちっとも割安ではないことになる。
 一部国有企業の買いも交えた国家隊の株買いで株価が上昇し、それに便乗しようと多くの個人投資家が買いを入れても、中国経済低迷・悪化が根本的に解決されなければ、15年のチャイナ・ショックの後の国家隊によるPKOが失敗したことの二の舞に終わるだろう。あの時、買ったETFはその後の一次的反発後に処分していなければ、含み損になっている可能性もある。
 この面からも国民も見放したスターリニスト中国の株など、とうてい買えないということになるだろう。

昨年の今日の日記:「北米上空を飛来する飛行物体、相次いで撃墜、4日撃墜の中国スパイ気球はスターリニストどもの大失態」https://plaza.rakuten.co.jp/libpubli2/diary/202302130000/​






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Last updated  2024.02.13 05:41:27



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