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山への情熱 音楽への愛

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2009年01月04日
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カテゴリ:舞台芸術

今日も穏やかで暖かいいい一日だった。目黒の喜多能楽堂へ出かけた。能を見るのは2年ぶり、喜多能楽堂を訪れたのは10年ぶり位である。

新年でどうしても翁と三番叟を見たくなり、電話でぎりぎり指定席がとれたのだった。

今日の演目

  翁(おきな)           粟谷 能夫

  三番叟(さんばそう)      野村 万蔵

  舟渡婿(ふなわたしむこ)     シテ  野村  萬  アド 小笠原  匡

  仕 舞   田村 キリ       出雲  康雅

  能 葛城 (かつらぎ)     前シテ・後シテ  谷 大作  ワキ・山伏  森 常好

忘れてしまっていた能の世界が広がっていた。簡素かつ美しい能舞台、果てしない沈黙、能管、小鼓、大鼓の凝縮した濃密な音楽、彫刻のような演者、豪華で大胆な装束、シンプルこの上ないステージ、何もかも好きなものばかりだった。

まず翁、これはめったに観られない特別な演目で元旦の教育テレビでしか観たことがない。白い翁の面をつけて国家安泰・国土安穏を祈願する翁。白い能面の柔和な微笑が慈愛に満ちていた。あの微笑には悪いもの、穢れたもの、つらいこと、悲しいこと、なにもかも吸い込んでしまうような包容力があって見入ってしまった。

1.4おきな1.jpg 1.4おきな2.jpg

次の三番叟がとても素晴らしかった。黒い地色に鶴・亀・松・竹をちりばめた装束を身にまとい、田畑に種をまくような仕種が何度も繰り返されるのであるが、非常にリズミカルで音楽とぴったり息があい、すべての動作の形がぴたっと決まっていた。後半は黒色の面をつけるがこれが翁の白面と対照的でモダン、かっこよかった。

      翁で使う面                 三番叟でつかう面

1.4おきな面.jpg1.4黒色じょう.jpg

コミカルな狂言で寛ぎ、仕舞を観て、最後は能 葛城(かつらぎ)を観た。

白い笠をかぶり白い装束の胸元に朱の中啓をさして登場する里女。その美しさ。日本美の典型だと思った。つけている面が知的でろうたけていて笠の下で陰影がついてもうぞくっとするほど美しかった。あの面は増女(ぞうおんな)か?

1.4増女面.jpg   1.4ちゅうけい.jpg  中啓(能で使う扇)

後半の後シテ葛城明神は頭に宝冠をつけ、さび朱の半切、銀色とねずみ色の上衣と全体に渋い色調の装束だった。最後は序の舞でなく御幣のようなものを持って神楽を舞った。とてもゆったりした舞だがこういうゆったりした舞はなかなか難しいと思う。

約3時間半のステージ、上質で優雅なものばかりをたくさん観て、とても贅沢な気持ちになり、日本の美を堪能した。






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Last updated  2009年01月05日 23時23分23秒
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