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カテゴリ:舞台芸術
高校時代、日本史の教科書には室町時代の文化として能楽が紹介されていた。その写真を見て、なぜかはわからないけど能楽に強く興味・関心を持った。でも四国の山間部の文化果つる地に住んでいたので能楽など夢の世界の話であった。 結婚して東京に出てきたが、能に接する機会はないまま、時は流れていった。 36歳の時、突然能が目の前に現れた。私の住むN市に文化庁の移動公演で能が来たのであった。30年ほど前のことであるが、その時の演目ははっきり覚えている。「藤戸」で ワキは宝生 閑、不思議なことにシテが誰だったか記憶が蘇らない。 この時の舞台は衝撃的だった。こんな美に満ちた舞台をかって見たことがなかった。シテの老女はどの動きも静止ポーズも端正で動く彫刻だった。特にじっと座って動かない姿の美しさに感動し、心を奪われた。 能面も不思議な世界だった。面の下から出てくる声はくぐもって長く余韻を引き、この世の人の声ではないような気すらした。音楽がまた別次元だった。これまで西洋のクラシック音楽がすべてだった私の耳と感性は全く異なる響きと微妙な音程、気合に満ちた掛け声などに強烈に刺激され挑発され、音楽観そのものを揺すられた。 能に魅了されてしまった私はそれ以来数年間能楽堂に通った。親しみやすい目黒の喜多六平太能楽堂、水道橋の宝生能楽堂、格調高い渋谷の観世能楽堂、佐倉の薪能、成田山の薪能などにも出かけた。 総合芸術である能楽には私の好きなもの全てが詰まっていた。即ち音楽・美術・、異次元空間、霊魂など。初めのうちは増田正造さんの入門書なども読んでいたが、一通りのことが分かると解説はほとんど読まない。その場でその舞台を自分がどう感受できるか、それだけである。 観世流 百万 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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