[旅] ブログ村キーワード 旅は雨から始まった。
「?おのよ、ダンさん、私バスの乗り口の地図をどこへやったかね?」
「えええええ…また始まった。」
「ありら。池袋の乗り口をプリントしちゃったんだ…。まあ…分かる…でしょ。」
なんの確証もなく電車を降りるとご丁寧に、『高速バス乗り口』の地図がある。
しょぼ降る雨の中、二人はてっこらてっこら夜中の下落合を彷徨った。
ルーちは頭の中で地図をああころがし、こう向きを変え…
いやいや、地図の読めない女性脳というのは大変なものである。
歩いて5分の簡単に見つかるバス停に着くまで30分ほどに感じられる不安を抱き、
さて着いた。
このバスはトイレがあるぞとなると欲しくなるのは飲み物である。
「ふ~ん、さっきの100均でいろいろ買ったんだけどね…」
無事着いたので嬉しくなったか二人は無駄な出費を販売機にちゃりんこんと投げ入れた。
ずいぶんと軽装な、でも顔はしっかり山男という人…旅の連れになるのかしらと挨拶をする。
「どちらまでですか?」
「はあ、剣まで」
剣、つるぎ…っちゃあ、あの日本アルプスの剣岳かね。
ううん、私は山は降りるだけならいいけれど、登るのだけは嫌だわな~
結局同じバス停で違うバスを待つ一期一会の縁の人…お気をつけて。
まあ、このバス停に屋根があって良かった事。
周りにはドトール一つ、ファミレス一つ無いものね…
屋根の上では雨の音がぼんぼん大きくなってきていたが、ルーちはそう思って安堵していた。
…しかし。
旅は人生のハプニング。
のんきな二人の素知らぬ所…そう、まさに足元ではとんでもない事が起こっていたのである。
そうとも知らず、無事バスに乗り込んでほくほくと安心の二人、
車内で使いそうなものをほとんど大きいバッグに詰めてしまい、バスの横っ腹に入れてしまった。
アイマスクも無し、湿布も無し。エア枕は家に忘れ果てて来てしまったし。
さすがに腰に当てるクッションは別にもっていたから良かったものの、
首の痛みに耐えかねて、真田六文銭の松代で控えの運転手?さんにバスの腹を開けてもらって
湿布を出してもらいます。
いや、眠れない、眠れやしない。
サービスエリアごとにダンさんは美味そうにタバコをふかし、
ルーちは車内ではバックライトが明るすぎて打てない携帯をてこてこと打ち、
ブログのアップなぞをして。
バスは一路、高岡へ、高岡へ。 …つづく
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