LOGOS　OF　LUPRIA

　北海道も冷凍庫のような日々が続いているが、世界はもっと大変なことになっている。一言で言うなら異常気象の常態化である。偏西風の蛇行が固定化されてしまい。複数の箇所で集中的に嵐が何日も続く現象が頻発している。
　北欧では暴風雨が数日間続いて１４人が死亡し、洪水や停電による被害も拡大している。オーストラリアでは山火事が発生し、４４℃という気温と強風の為に瞬く間に広がり、数万ヘクタールを焼き、手の付けられない状態になっている。また、カリフォルニアでは一週間で半年分の雨が降り、地滑りなどで大きな被害が出ており、死者も十数人になっている。
　地球も我々とは形態は異なるが生命である。人間の地球上での活動範囲は直径一メートルのシャボン玉の、その薄膜一枚に過ぎないが、我々はその僅かな活動範囲を汚しすぎた。地球も病気になるし、我々と同じように病原菌は攻撃し、自らのバランスを取り戻そうとする。ホメオスターシスが働いているのだ。
　アメリカが京都議定書に反対し、地球環境よりも自国の利益を優先させたが、あっちやこっちで利権を争っても、我々は地球の支配者ではない。地球に住まわせて貰っているだけだ。この地球に対しての感謝無くして我々はただ資源を貪り、争い、奪い合い、挙げ句の果てに地球全体を汚染させ、本来のバランスを崩してしまったのだ。地球がほんのちょっと身震いするだけで我々は絶滅に向かってしまう。後戻りの出来ないところまで行き着かなければ気付くことは出来ないのだろうか？　アトランティスと同じ、いやそれ以上の惨劇にまで直面しなければ気付くことが出来ないのだろうか？