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テーマ:ニュース(99852)
カテゴリ:世界情勢
朝刊に、小さいがとても気になるニュースが載っていた。2月に北海道の羅臼で10頭くらいのシャチが流氷に閉じこめられ、結局一匹が何とか沖へ避難した以外は死んでしまったのだが、その後このシャチは貴重な検体として学術機関に提供された。
その結果、体内に高濃度のポリ塩化ビフェニールや水銀が蓄積されていたことがわかったのだ。しかも生後間もない幼獣2頭は成獣に較べ倍以上のPCB濃度だった。言うまでもなくシャチは海の食物連鎖の頂点に位置する生物。環境汚染は周り回ってその頂点に蓄積していく。そして、恐るべきは生まれて間もない子供の方が、その蓄積量が多いという点だ。皮肉なことにこれは幼獣にとっては命の綱であり、貴重な免疫獲得の手段である母乳によって蓄積した可能性が高い。 では地上の食物連鎖の頂点にいる生物はどうなのか? それはもちろん人間に他ならないし、その危機は同様に忍び寄っている。近年急速に増え続けているアレルギー疾患は、結局ここに原因があるはずである。シックハウス症候群なども化学物質が体内で処理出来ない段階にまで蓄積されて発症するものであると考えられている。そしてこういった疾患は治療法がほとんどなく、不可逆的な症状であることが特徴だ。対向するには体自体の毒素排泄能力、正常な免疫力を高めてやるしかない。もちろんこういった重金属や化学物質は脳にも入り込む。私は近年の犯罪の低年齢化、残虐化はこういった影響が少なからずあるものと思っている。心までも犯されてしまっているだ。海の王者シャチが流氷に閉じこめられるというおかしな現象も、本来の能力に影響をきたしているのではないか? 私達はもう地球上で汚染されていないところがない程にまで環境汚染を進めてしまったのだ。南極、北極にさえ汚染は存在する。大気も海水も循環しているのだから当然だ。もはや完全に安全なところは存在しない。しかし、地球にも自らを守る力がある。嵐や森林火災、洪水も地球そのものの浄化作用なのだが、一方でそれが大規模になればなるほど、その中で暮らす人間には深刻なダメージとなっていく。汚したのは私達なのだから、言ってみれば退治されて当たり前の側面は確かにある。しかし、仮にも私達は食物連鎖の頂点としてだけではなく、動物界の意識の頂点でもある。自ら考えて環境を変えることも出来る力を与えられた生物なのだ。まだ出来ることはある。未来はまだ変えられる。 私達には自然に“寄り添って”生きることが求められている。今まで私達は自然の恵みを利用することしか考えず、ただ奪い、使い尽くし、ゴミを撒き散らかしてきた。その結果が自分たちの健康にも表れている。帰るときが来たのだ。それが出来ないなら未来はない。パラダイムシフトはまだ始まったばかりであり、それは全ての人が全ての分野に於いて踏み出さなければならない。警告を自分のものとして受け取れない人達には、自ら撒いた種の果を食べなければならなくなるだろう。収穫の時は突然にやってくる。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2005/03/10 01:42:15 PM
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