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LOGOS OF LUPRIA

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2005/03/31
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カテゴリ:癒し
 なかなか表に出てこなかった医療業界の裏事情も、最近はテレビなどで正面から扱うようになってきた。29日放送の「センセイ教えて下さい」では教育・医療・政治のセンセイ達が様々な裏事情に応えるという企画だったが、なかなか面白い番組だった。私もいろんな病院に勤めてきたが、今までその裏事情はこれほどあからさまには報道されなかった。
 余談になるが、教育のテーマでは「関西京都今村組」の今村先生も出演していて切り口鋭い意見を述べていた。彼は今年6月、またYOSAKOIソーラン祭りに来てくれる。あの全身全霊の踊りがまた見られることがとても楽しみである。
 さて、医療の問題だが、たまたまその番組を見ていた私の訪問先のお婆ちゃんがかなり驚いていた。その方は9種類の薬を飲んでいるのだが、そのほとんどが必要のないものだとテレビで明かされて、今までお医者さんを信じて飲んできたのはいったい何だったんだろうと感じたわけである。
 そう、本当に必要な薬というのはほとんどの場合一つか二つで充分である。だが実体は副作用を抑える為の薬が一緒に出され、さらに患者が何か症状を訴えれば(それも副作用によるものがほとんどだが)またその症状を抑える為に薬を出すというのが現実の実態である。余計な薬は当然肉体に負担をかけるから患者はずっと不健康なままで、病院通いを続ける。病院が病人を作っているという実態は確かに存在する。
 さらに今回は医師は薬のことをよく知らないという事実も明らかにされた。医大で教えられる知識は薬の成分や働きについては学ぶが、それを実際に臨床投与した場合の人体の反応や経過、副作用についてはほとんどの大学で授業には入っていない。医者が全て悪いというわけではない。医療を囲む様々な組織・団体が多様な問題を抱えている構造的な問題でもあるのだ。現在日本で流通している薬の数は諸外国に比べて著しく多く数万種類あると言われている。その全てを憶えて効果や副作用を把握すること自体不可能。如何に頭のいい人であっても、人口3万人の市の市民全ての名前、顔、住所、職業などを憶えられるだろうか? あなたが学生だった頃隣のクラスの子の名前すら全部は憶えられなかったのではなかろうか?
 従って、医者は薬メーカーの営業マンが勧めるままに新しい薬の知識を得て使用する。それは新薬ほど病院側にとって儲けが大きいと言うメリットもある。いままでずっと使われてきて効果も副作用もよくわかっている薬があるにも関わらず、より効果があると営業に言われて、儲けもちらついてそれを使うようになるのだ。
 漢方に関しても同様のことが言える。手軽な漢方製剤が出回るようになり、漢方薬を処方する医師も増えたが、これには大きな落とし穴がある。漢方というのは、本来体質を見極めて個人個人に合わせて処方するものであり、“風邪なら葛根湯”というように病名で処方するものではないのである。一人一人の体質に合わせて出される目的のものだから、たとえば端的に言えば、凄く太っていて血圧も高い人に処方される薬を、痩せて血行も悪い人に処方したとしたら、同じ病気であっても合う筈はなく、副作用が出ることになる。
 実際、漢方というと一般的に穏やかで副作用がないようなイメージを持たれているふしがあるが、実は最も副作用が多く報告されているのは漢方製剤なのである。理由はもちろん上記のように本来の処方の仕方も知らない、いわば漢方に関しては素人同然の医師がほとんどであり、病名や症状のみで製薬会社の作った対応表のようなもので処方されている現実がある。
 化学合成薬に関しては本来どれも“毒”なのである。症状を抑える為に次々に薬を投与するのは、雨漏りを抑える為に釘で板を打ちつけて、釘穴からさらに雨漏りが発生するのと同じ事である。毒ばかりが蓄積し、慢性的に不健康になっていくばかりだ。無論、どうしても薬を欠かすことの出来ない人もいる。だが、我々は体験的に医者の渡した大量の薬を実際には飲んでいない人の方が健康であることを知っている。
 今回のテレビでは薬の基本的な臨床知識についてのテストを医師対象にやっていたが、その平均点数は100点満点で35点程度だった。解答者としてスタジオに来ていた医師達でも最高点が70点、最低点が10点という成績。本当は薬に関しては薬剤師の方が知識はあるが、ドクターが明らかに間違った処方をして薬剤師が進言しても、そのプライドの高さから耳を貸さないことがほとんどだという。

 これだけ情報が公開されるようになった世の中なのだ。医者だけを責め立ててもしょうがない。要は患者が賢くならなければ現代において健康は守れないのである。この他にも医療が病気を作っている例は山ほどある。検査にしても、手術にしても病院を維持していく為にはある程度の数をこなさなければならない。不必要な検査も手術も沢山あるのが実態である。病院だって設備にも人件費にも厖大な金がかかるから、やらなきゃ潰れる時代である。
 保険点数等も年々下げられ、私が最後に整形外科に勤めていた頃には、いままで一番儲かっていた整形外科が狙い撃ちにされ、一気に整形の収入が2~3割減ったと言われている。正直、いくら病院といえどこれは死活問題であり、事実やっていけなくなっているところも出ている。病院もふんぞり返って診察している時代は終わり、サービス業に変貌しつつある。それはそれでいい面もあるのだが、時代は既に医療そのものが根本的に変わることを求めている。
 北海道でもホロトロピック・センターという構想の下に全く新しい形態の医療施設を創ろうとしている医師もいる。だが、患者自身が本当に身体にとって大切なことを学ぼうとしなければ、1億2千万人が健康を謳歌する時代は永遠にやってこないだろう。





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Last updated  2005/03/31 08:12:08 AM
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