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テーマ:ニュース(100058)
カテゴリ:世界情勢
第265代ローマ法王(カトリック教会内では教皇と呼ぶ)がローマ法王選挙・コンクラーベによって19日決定した。人口800人程度、面積僅かに0.44平方キロメートル(日本の皇居ですら1.15平方キロある)の世界最小の独立国であるバチカン市国の元首でもあり、全世界約11億人のローマ・カトリック信者の頂点に立つのは、ドイツ人のヨーゼフ・アロイス・ラツィンガー枢機卿だった。78歳での選出は過去300年で最高齢だそうである。
新法王名は「ベネディクト16世」。彼が如何にして「オリーブの栄光」となり得るのか、私にはわからないが、調べてみるとなかなか面白い符合が出てきた。 ローマ法王自体はイエス・キリストの12使徒の一人ペテロの系譜を繋ぐものであり、それが265代も続いているというのは考えてみれば凄い歴史である。法王の名前もそれぞれに歴史があり、名前によって法王の傾向もある程度色分けされるようだ。「ベネディクト」という名称は、山中で隠遁生活をして神の知恵を得、聖ベネディクト会の基礎を築いた“聖ベネディクト”(480~547年)に由来する。聖ベネディクトの死後、575年にベネディクト1世が即位している。歴代のベネディクト法王は「保守の先代から穏健へ移行する傾向」があるそうだ。 興味深いのは先代のベネディクト15世である。彼は第一次大戦が始まった1914年に法王となったが、戦争を憂い、その年の暮れにカトリック教徒達にクリスマス休戦を呼びかけた。その時その呼び掛けに応じたのは今回のベネディクト16世の祖国ドイツで、フランスとベルギーは拒絶し、カトリック教徒の少なかったイギリスは自分たちへの呼び掛けと見なさなかった。 ベネディクト15世は1922年で亡くなるが、1917年5月5日には「祈りの十字軍」を組織し、全世界のカトリック教会に向けて戦争終結の為に祈りを捧げるよう指示を出している。実はこの直後5月13日に、大きな事件が起きる。このブログの4月2日の日記「オリーブの栄光」に書いた「ファテイマの奇蹟」である。そう、ファテイマの聖母預言はベネディクト15世の時に授けられたものなのだ。奇しくも前法王ヨハネ・パウロ二世が狙撃されたのも1981年の5月13日である。法王は「聖母が弾をそらして下さった」と語った。 平和に向けて活動し続けた先代ベネディクト15世。そしてその祈りでファティマの奇蹟を呼び寄せた。その名を継ぐ16世が世界平和に大きな貢献をし、オリーブの栄光を受けるのか? 唯一クリスマス休戦に応じたドイツが国連常任理事国入りし、彼がその母国の後押しをすることになるのか? ファテイマ第3の秘密は全て明らかにされたのかどうかはわからない。法王のみが知るはずである。そして同時にマラキの預言において現法王の次は最後の法王であり、それは「ローマ人のペテロ」とされている。原点に帰る事を示唆するこの預言は12使徒のペテロのリーインカーネーションとなるのだろうか? なんにせよベネディクト16世の時代は大いなる過渡期となるのであろう。それは大いなる平和への序章となるはずだが、それ故にその過程は過酷なものとなるかもしれない。 最後に余談だが、函館のカトリック元町教会にはベネディクト15世から送られた祭壇があるという。これは日本に法王から授けられたものとしては唯一のものだそうだ。丁度、私は29・30日と函館へ行く予定をしていたので、是非とも見てきたいと思っている。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2005/04/22 01:09:36 AM
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