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あなたは今生存なされて本拙文をお読みいただいています。それはこの世に生を与えられ、戸籍に誰の子で氏名、生年月日などが記載され、それにより生存したという証拠が残されるのです。
生まれたときは親の戸籍に載り、婚姻したらば自分の戸籍が新たに作られる。そして自分の戸籍にいた子がやがて婚姻して戸籍から抜けていく。そしてどちらが先になるかわかりませんが自分たち夫婦が順に死亡し、自分の戸籍には生存者が誰もいなくなります。戸籍は「抜け殻」になったと言ってよいでしょう。このような戸籍は「除籍簿」に綴られて一般の戸籍とは区分されます。 たとえ除籍簿に綴られたとしても、子が父親の戸籍を取得したいと思えばその役所に行って交付を受けられます。それを見て何の某という人間が生きていたという証拠が残されているのです。 しかしながらこの除籍簿は保存期間がありまして、戸籍法施行規則第5条4項に「80年」と規定されています。つまり、除籍簿に綴られたら80年でその人の生存した記録がこの世からなくなるのです。 少し具体的に見てみましょう。 2000年に生まれた人が、25歳で婚姻し自分の戸籍が作られ子供も2人できました。あわせて4人の戸籍からやがて子供が婚姻し戸籍から抜け、自分の戸籍には夫婦2人だけになります。そして自分が80歳で他界したとしてもまだ妻がいます。この妻がその20年後に亡くなると、戸籍は抜け殻になりますので除籍簿に綴られます。それは2100年のことです。この80年後に除籍簿が廃棄されますので、2180年以後はその人が生存した記録はこの世から消滅するのです。 現在から80年前といいますと1929年(昭和4年)に除籍簿に綴られた方は戸籍が廃棄されはじめることになります。しかし、役所よって残している場合もありますから、必要な方は役所に行って聞いてみましょう。ただし、赤の他人様のものは請求できませんよ。 私のように相続手続きで相続人調査をやっていますと、かなりさかのぼって戸籍を取得しなければならないときがあります。明治中期などは当たり前、明治初期のものが必要な時がありますが、上述のように除籍簿がもしかして廃棄されてやしないかとヒヤヒヤしながら交付申請をする時があります。でも残っていたときはほっとします。 廃棄以外に戸籍が取得できない事由もあります。あるとき国への申請手続のために東京の区役所に戸籍の交付申請を郵送したら、戦災により区役所や法務局が消失し、その時期の「戸籍の証明」ができないという「証明」が送られてきました。しかし、これでも証明としては使えます。 以上、除籍簿に綴られ80年経ったら基本的には自分の生存証明がなくなるというお話をいたしました。でも記録上のことです。虎は死んだら皮を残す、人は死んだら名を残す。私はどれだけ名を残せるのかなぁ。子々孫々だけでいいから覚えていてほしいのですが、 ・・・まずムリでしょう お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009年12月23日 18時27分20秒
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