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カテゴリ:チュクルジュマ界隈のこと、または猫ばなし
【10月13日・日曜日】 今日こそ朝からシャカリキで大掃除をしなくてはならない、と朝食後片付け始めてせかせかしていたら、コンヤから1本の電話が来て、鍼灸診療ツアーのリストに入れてくれ、という話。 「え、もう締め切ったんですが」 「そこをなんとか。妻は以前一度受けているので、今度こそ揃って受けたいと思っていたのですが、バイラムに先生が来ると言うのをつい昨日知ったんですよ。」 「奥さんだけその前に一度申し込まれて、やっぱり来られないと言ってキャンセルしたんです」 「ええ、そう聞いたのでもったいない、何とかやって貰いたいと思いまして」 「あら、そうですか。私はいま掃除に取り掛かろうとしていたので、パソコン開けないとリストが見られないので、15日か16日で何時から、と言うのは私に任せてほしいんですが、何とか順番を取ってあげましょう」 「おおー、助かります。お任せします」 「では30分後に電話してください」 私は大急ぎでパソコンを開き、このトルコ人と外国人の奥さん夫婦の予約を矯めつ眇めつリストを眺めながら、2日目の夕方に決め、その時間帯の人には気心知れていて頼みやすいので、電話して1時間ずらすのを承知して貰い、ほっとしてリストを書き直した。 ところが、夢中でパソコンとにらめっこしている間に、私の寝室にこっそりと猫達が忍び込んで、ガタガタと大騒ぎしているのに気付くのが、すっかり遅くなってしまった。 驚いてドアが半開きになった部屋を覗いてみると、猫が全部部屋の中にいてせっかく掃除の準備に積み上げた布団や毛布や机の上に置いてあった皮コートなどがベッドの下の方に散乱し、7匹が好き好きにルンルンで遊んでいるのだった。 大声を出して猫達を追い払い、ベッドにどっかりと香箱座りを決めこんでいるタマオの尻を叩いて追い出した。ところが私の横幅2.5メートルあるガルドラップ(ワードロープ)の後ろ側からせつない鳴き声が・・・ ああっ、どの子が後ろに落ちてしまったのだろう、私は慌ててサロンに出て7匹の猫を確認し、いないのはマヤちゃんだとわかった。 高さも2メートル近いタンスの上に上って、後ろ側の隙間に落ちた際、マヤちゃんは足を折ったりしていないだろうか。はらはらしながら、救出作戦に取り掛かった。コンヤの人からまだ電話はかかって来ていない。 私は聞き逃さないように電話を寝室に持ち込んで、タンスの向かって左側にある隙間から、マヤちゃんを誘い出そうと何度も呼んだが、おびえてしまったのかニャンニャン鳴くだけで一向に出てこようとしないのだった。 上から落ちると、出て来られる隙間はこんな狭いところ。タマオなら救助不能。 もっとも、出てきたところで頭がつかえてしまったらどうしよう。以前タンブルも小さい頃同様に落ちてしまい、それ以来、ものすごく気を使って猫が入らないようにしていたのである。 それが、よりにもよって、この超忙しいときに~、とこっちが泣きたくなった。誘い出そうと必死に声をかけたがマヤちゃんはさっぱり出て来なかった。 今日は暖かく、斜めに身体を曲げ、しゃがみこんで必死に猫に声をかけている私は汗びっしょりになった。 あ、そうだ、かれこれ1時間半も経つのに、あの夫婦は電話して来ないじゃないか、と気付いたので、とりあえずマヤちゃんは寝室に残しドアを閉めて、サロンに出てこちらから掛けてみた。 「もしもし、カセですが順番を取りましたよ」 夫が出た。 「あ、加瀬ハヌム、すみません。こちらから掛けることになっていたのにうっかり忘れていました、すみません」 「どういたしまして。16日の午後5時にですね、その時間帯以降の人に1時間ずつずらして貰って何とか予約を入れておきましたよ」 「やあ~、お忙しいのにすみません。でも、もう結構ですよ。私達はやっぱり行かれないので、また今度の機会に。今度いつ先生は見えますか?」 ドッカ~ンッ 爆風で私の頭が吹っ飛びそうだ。 なんだって、忘れていた、だって? こんな不実な奴らのために、私と猫がどんなひどい目に会っているか、わかってないだろう、いい加減にしろ~ッ! なんだかつくづく嫌気がさした。 それにしても、しっかりとドアを閉めたはずなのに、コンヤへの電話を切った直後、寝室のドアの前でガタガタ音がしたので、見てみると・・・ ついにどうしてドアが開いてしまうのか、謎が解けたぞ、アッラハー・シュキュル! お転婆アルスがドアの取っ手に飛びついて、体重をかけてノブを下げるわけだ! アルスがじっとドアのノブを見ています。 体を縮めて飛び上がる準備! えいやっ、ごりごり、開け、ゴマーッ! 私は泣き笑いしそうになりながら、救助活動を再開した。 マヤちゃんがようやく左の出口に歩み寄って、首だけ出したところを無理やり引っ張り出して一件落着。幸いに怪我もしていなくてよかった~。思わず涙ぐんでしまった。 ショックだったのか、外に出て来たら全然鳴かなくなってぼんやりしているマヤちゃん それにしてもこうやって、私が掃除をすると言うと、神様も猫もコンヤの男もみんなで邪魔をするわけですね! 明日以降だともうしばらくブログを書けなくなるので、すぐにこの出来事を書き始めたら、インスタントラーメンでも食べようと水を汲んで火にかけた鍋のことを忘れ、異様なにおいに気付いた時は既に遅し、また鍋がすっかり焦げてしまっていた。 だから、今日のお昼は如何にもシンプル。朝はそれなりに手をかけたと言うのに。 ネギも卵も何も入れない、チキン・ラーメン本来のお味 おからと挽き肉のミートボールあんかけ。もろキュウ、大根おろし お知らせ ◎※△ 海泡石(リュレタシュ)がネットで買えます! イスタンブール唯一の海泡石アトリエ、シナン・ウスタの作品がついにネットで購入出来るようになりました。追々品数も増やしていくとのことです。ぜひご覧ください。 ネットショップ 「リュレタシュ」 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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