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madamkaseのトルコ行進曲

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 marnon1104@ Re:トルコでシュウマイはいかがですか?(07/08) kaseさん、こんにちは(*'▽')♪ …
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 madamkase@ Re:渡航記念日(03/16) marnon1104さん、こんにちわ。 3月に書い…
 madamkase@ Re:トルコでシュウマイはいかがですか?(07/08) ひなのさん、おひさしぶりです。 トルコは…

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2017年04月07日
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【4月7日・金曜日】


 先週、ロンドンから来た律儀な由加さんが、昨年お世話になったお礼にと、小林正貴さんの坊やにTシャツのお土産を持って来ていて、今回は小林さんに会う機会がなかったため私に託して帰って行った。

 なるべく早く届けてあげたい、と思っていたところ、今日、小林さんが昼からヨーロッパ側に出かける用事があるので、そのあとにでも近くまで行きますよ、と昼前に電話をかけてくれた。では夕方6時過ぎ頃、また連絡を取り合いましょう、と言うことになった。


Cuk  
チュクルジュマから登ってくるとここに出ます。下の方にわが家があります。(2015.5.8撮影)

cihangir  
ジハンギル交差点のマンザラ(光景) スラセルビレル通りとアカルス通りの交差点 3月8日撮影


 6時半頃小林さんから連絡が入り、7時頃にジハンギルの交差点で出会うことにしませんか、と提案したので、私もその時刻に合わせて出かけて行った。チュクルジュマからタクタキ坂とそれに続く階段を上ると、2~30メートル先にジハンギル交差点があり、右角がフィルズ・アー・ジャーミイで、その手前にジャーミイのチェシュメ(お祈り前に手足を清める水場)がある。


 彼を待つ間に私も坊やに駄菓子を少し買って、ジハンギルの角のケーキ屋の前でたたずんでいたら、昔、キリムや玄関マットの行商をしていたオスマン・アムジャ(おじさん、おじいさん)がやってきて、うちの娘の消息を尋ねてくれた。

「あの子はお陰で元気にしてますよ」
「どうか娘さんにわたしがよろしく言ってたと伝えて下さい」
「必ず伝えます、ありがとう、オスマン・アムジャ」

 交わす会話はいつもそんな程度なのだが、このあとオスマン・アムジャの泣き節が入り、身振り手振りもよろしく「イシ・ヨク、グチュ・ヨク、パラ・ダ・ヨク、(仕事もなんにもありゃしない、その上金もないんだぜ)
キムセ・ヤルドゥム・エトゥミヨル(だあれも助けちゃくれないよ)」と、七五調で哀調切々と訴えるのである。

 私も毎回、と言うわけにはいかないが、ジハンギルに住み始めた頃から、月に一度や二度は財布の中にいくらも残っていなくても、つい10リラか、たまには20リラくらい奮発してきた。うちの娘は当然もっと前からの知り合いだった。

 誰かにお金を貰っても、オスマン・アムジャはそれを自分が貯め込んでいるわけではなく、彼が行商キリム屋をして歩くと、ぞろぞろと数匹もの野良犬がずっとついて歩いているし、行く先々で野良猫の群れがいるので、肉屋や鶏屋を回って、骨や皮を買ったり貰ったりするのに使っているのだった。ときには私の利用しているペットショップに来て、量り売りのキャットフード、ドッグフードなども買っている。

 最近、オズレムさんと言う名の若い女性がそばでうろうろしていて、アムジャが誰かに喜捨を貰うと、1リラとかそういう小銭でもいくらか溜まった時点で、すぐ近くのペットショップまで走らせ、缶詰とか1キロ入りのキャットフードなどを買って来させ、お釣り、あるいは2リラくらいの小遣い銭を渡しているのが分かった。

 小林さんを待つ間に、私が出した10リラは、即刻アムジャからオズレムさんの手に渡り、彼女は何か指示されてペットショップに走って行ったようだった。ほどなく戻って、420g入りの3つの缶詰をアムジャに渡し、小遣いとして2リラを与えられ、彼女はそれを嬉しそうにポケットに収めるとき、私の方を見てちょっとだけ、にっと笑って見せた。

 7~8匹の猫がアムジャの開けた缶詰に群がってむしゃぶりついている。食べたいがそばに寄れない子もいる。思わずしゃがんでそこらに落ちていた紙きれの上に分けてやり、均等に行きわたるようにしてやった。これはもう、裏庭の猫達に餌を与えてきた私の十何年かの習性だった。

 そこに小林さんが「いや~、加瀬さん、お待たせしてすみません!」と言いながら登場したので、アムジャには別れを告げ、2人でエルヴァン・パスターネシの角を曲がって、ジハンギル・ロカンタスのドアを押した。

 ビュッフェ・スタイルで、朝食、ランチ、夕食と幾つもの煮物や揚げ物、サラダ、スープ、甘いものなどが並んで湯気を立てている。私はスープ、ピラフ、オクラの煮物、すべて半分ずつ頼み、コックが手早く盛り付けてくれたので、水の小瓶を1つ取ってカサ(会計)に見せ、「後ろの殿方が払ってくれますからお願いします」と言った。

 店のマネージャー(あるいはオーナーかも)がお盆を奥のテーブルに運んでくれた。あとから小林さんがスープや和え物や、煮物を1.5ポーション(大盛り)、パンもばっちり載せて着席した。

「いや~、加瀬さん、2人分でこんなに注文しても、これ、こんな値段でしたよ。普通のレストランのアラカルト1皿分よりまだ安いですよ。わぁ、このスープもうまいですね。ジハンギルで、こういう値段で食べられるのが驚きです!」と小林さんも目を丸くしている。

Cihangir Lokantasi  
ジハンギル・ロカンタスで私の食べたもの。スープが特に美味。小林さん、ご馳走さま。


 入店したのが8時に近かったのだが、店はまだ余り混んでおらず、9時、10時頃もっとピークになるらしい。食べ終わると店からのサービスのチャイを貰えるので、それを飲みながら四方山話の中でも、これからトルコはどうなるのか、不安要素もたくさんあり、ことに短期間で人気者になった小林さんは、これからが正念場なのでいろいろ考えています、という言葉に、決意のほどがうかがわれた。

 やがて9時をだいぶ回り、話に終止符を打って店を出ようとした時、オズレムさんが入り口のそばで立っていた。彼女はテイク・アウトするのか、コックが前の客へのサービスを済ませたあと、銀色のパッケージにピラフを詰めて貰い、その上に「クル・ファスリエ」という、白いんげんのトマト煮をたっぷりかけて貰い、私に手を振ってカサ(レジ)の方に歩いて行った。


 外に出て、店の前でタキシム広場に出る近道を小林さんに説明し、自分はまだスラセルビレル通りのスーパーが開いているので、二つ三つ買い物をしようとまたジハンギル交差点の方向に向かった。

 ケーキ屋の前にオズレムさんが立っていた。

「あら、オズレムさん。晩ご飯、これから食べるの?」
「いえ、まだよ。さっきのクル・ファスリエは人に頼まれて買いに行っただけ」
「ああ、そうだったの。 昼間はどこかで働いているの?」
「いいえ、仕事がなくて勤めていないの。だからこのあたりにいて、頼まれたお使いを引き受けるの。
何もしないで人様からお金だけ貰おうなんて思ってないもの」

 私は頷き、「Kolay gelsin」と声をかけてスーパーに向かった。

 そのスーパーの前では、20代半ばと思える若い男が、毎日毎晩、買い物して出て来る客にしつこくせがんで、私にも「アンネ、アンネェェェ、ビル・リラ・リュトゥフェン(お母さん、お母さんたら~、1リラ頂戴!)」と袖を掴まんばかりだ。

 ええい、気色悪い、触るな。若いんだから自分で働くのだ!! 

 


 

 






   かに座さそり座いて座
かに座さそり座いて座



madamkaseのトルコ本 「犬と三日月 イスタンブールの7年」(新宿書房)



猫猫「チュクルジュマ猫会」猫猫




海泡石のパイプやアクセサリーと、「宮古島月桃」の買える店

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Last updated  2017年04月13日 21時48分27秒
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