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madamkaseのトルコ行進曲

madamkaseのトルコ行進曲

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2017年05月14日
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【5月14日・日曜日】


 マルマリスでの大きなバスの転落事故発生で、一挙に24人の尊い命が奪われたトルコの母の日ではあるが、私にはかねてから招待して頂いたコンサートに行く楽しみがあった。開始時刻に遅れないよう、天気もよかったので、5時前に家を出てタキシム広場まで歩いた。

 今日の夕方6時から2時間ほど、エティレル地区のアカトラル・文化センターで催される、箏の末冨敦子さんと、トルコの若手バイオリニストとして近年高い評価を受けているエルキン・オナイ氏の共演があり、その前に第一部として、寺田わかこさんとイスタンブール芙蓉の会の皆さんの箏の演奏が行われることになっていた。

 先月14日に末冨敦子さんがわざわざご招待のお便りを下さったときに、私は5月12日から始まるシワス県の記念行事に招待を受けており、5月14日のコンサートまでにイスタンブールに戻れない見通しだったため、一旦は涙を飲んでお断りしたのだった。

 ところが、ちょうど国民投票後に何か事情があって、シワスの行事は文化観光省からの通達で、プログラムがキャンセルになり、私が加わる予定だった講演会も取りやめになってしまったとのことだった。シワスの文化観光局長さんからは、時を改めて別な行事にご招待します、と約束してくれた。


 5月14日にイスタンブールにいられるなら、コンサートを聴きに行きたいなあ、とも思ったのだが、末冨敦子さんご自身からのお誘いを断ってしまった後だけに、「急に行かれるようになったのでまだお席はあるでしょうか」なんて調子よすぎはしないか、その一言が言えずにぐずぐず迷っているうち、5月になってしまった。


 ところがその後、なんと嬉しいことに、イスタンブールのロータリー・クラブの会長夫人であるアクバイラック和美さんから、5月6日にメッセージをいただき、コンサートにご招待下さるとのことだった。この箏とバイオリンの共演は、イスタンブールのロータリー・クラブ主催のチャリティショーだったのである。

 私はありがたく伺わせて頂きますと答え、一度は末冨敦子さんからご招待を頂いたことも書き、シワスの行事と日が重なったためにお断りしたあとで、行事がキャンセルとなり、当日イスタンブールにいるのでコンサートには行きたし、一度断っておきながら、こちらからお願いするのも失礼だし、と思いあぐねていたところに、お声をかけて頂いて本当に嬉しいです、ぜひとも伺わせて頂きます、と心からお礼を述べた。

 末冨敦子さんのコンサートは、2014年10月21日の、トルコ・日本友好コンサートと、2016年1月16日の、Nevmekanでの箏・カーヌーン・ネイの三重奏以来だった。敦子さんはいつも各地で開かれるコンサートのお知らせと招待を必ず送って下さるのだが、私もそれ以前から用事が入っていたり、泊まりがけになる遠征先までは追いかけられない、という無念なことが何度もあった。

4 sanatci bir arada  
2014年10月21日トルコ・日本友好コンサートにて

konser  
2016年1月16日・ウスキュダル、Nevmekanでのコンサート後

Nevmekan  
同日、右側はギョクセル・バクタギル氏(カーヌーン)、
左側は、エユップ・ハミッシュ氏(ネイ=葦笛奏者)


 
 さて、初めて入ったアカトラル・文化センターの劇場は、小ぢんまりとしたアンフィティヤトロ(古代円形劇場)形をしており、285席のキャパシティがあるそうだ。入り口の受付で招待券を受け取り、セキュリティを通ってロビーに下りると、高校生時代から知り合いの、スルタンアフメットの老舗の絨毯・キリム・宝石類の土産物店、ヨリュックの宝石デザイナー、セルカンさんと出会い、彼が舞台の正面に近い席に案内してくれた。

 そこには、ロータリー・クラブ会長のハサン・アクバイラク氏のお姉さんや、セルカンさんの奥さんも座っていて、特にお姉さんとは数年ぶりの出会いだった。お2人とも久々の挨拶を交わし、一つ後ろの段に座ることにした。

 その段には先客が一人いて、その人の奥に入ろうと、何気なく挨拶を交わしたら、彼女はここしばらく会うことの出来なかった、詩人で美容コンサルタントのジェンネット・イマタさんだった。

 私達はしっかりと抱き合って再会を喜び合った。

 6時30分、イスタンブール県内のロータリー・クラブの各支部長さん達が舞台に出て、ハサン会長の挨拶、和美夫人の日本語通訳で、ロータリー・クラブの活動報告や、各支部の表彰式などが進められ、末冨敦子さんとエルキン・オナイ氏に名誉ある協力賞が贈られ、拍手喝采の中、お2人に、ロータリー・クラブの顧問など上席者からそれぞれにロータリー・クラブのシンボルをかたどった飾りものが贈られた。

rotary club no  
ロータリー・クラブからお2人の表彰:ロータリー・クラブのシンボルの形です。

atsukosan  
バラ色のお召し物が華やかにも奥床しく、末冨敦子さん



 ロータリー・クラブ関係の表彰式など、一通りのことは済んだので、いよいよイスタンブル芙蓉の会の皆さんの演奏が始まることになった。この最初の一曲は、敦子先生とわかこ先生も加わり「チーデム・デル・キ」という、フォルクローレ或いは民謡のように庶民に愛される歌だった。

Pamuk gul  
両先生もメンバーに加わって、いよいよイスタンブル芙蓉の会の演奏です。

Atsukosan2  
孫弟子にあたる芙蓉の会の皆さんと合奏します。先生の後ろガムゼちゃん

miki, Selin  
左端:セリンちゃん、美貴さん

Selin, Nehir  
小さなネヒルちゃんは注目の的、沢山の曲をマスターしています。



 最初の曲は敦子先生も演奏に加わって、それはそれは豪華な舞台となり、シワスの産んだ偉大な現代の吟遊詩人、アーシュク・ヴェイセル(1894~1973)の詩に覚えやすいメロディーのついたもので、最近もテレビ番組の合間にスポットで何度も流されていたのを私も見たことがあった。

 10年前に、初めてのトルコに夫君と共に移住された敦子先生にとっては、最初味わった苦労に負けず踏みとどまって、年ごとにトルコの人々にも箏の変幻自在な魅力を伝えることに成功されたのだった。2曲目から敦子先生がご自分の演奏の準備に席を立ち、芙蓉の会のマスコット、小学校2年生の愛くるしいネヒルちゃんが登場、演奏が続いた。

 敦子さんのトルコにおける最初の弟子、寺田わかこさんを通して、孫弟子にあたるお弟子さん達がイスタンブールでしばしば日本・トルコの文化交流の機会があるたびにお呼びがかかるようになり、箏の合奏というチームワークの大事な仕事が、これからもますます発展し、普及して行く兆しが見えることが素晴らしい。


 芙蓉の会の皆さんの演奏が終わったあと、館内は30分の休憩に入り、上のロビーで日土婦人友好文化協会の有志の皆さんがコーラスを披露していた。

wakakosan  
演奏後、わかこ先生にもロータリー・クラブから特別の協力賞が贈呈されました。 

kolo  
ロビーはごった返していたのですが、「野バラ」など素敵なコーラスを聴かせていただきました。

ayaka, cennet  
25年前に日本のトルコ語教室で同級生だった郁香さん。ジェンネットさんと私
 

 
 休憩をはさんだ第2部は、本日のメイン・エベントで、8時少し前から始まり、末冨敦子さんの箏とエルキン・オナイさんのバイオリン・コラボレーション。お若いのにたくさんの海外演奏の実績を持ち、アンカラのハジェッテぺ大学のコンセルヴァトワールで教鞭も取っておられるとのこと。お母さんはトルコでも第一人者のピアニスト、ギュルシン・オナイさんである。

 末冨敦子さんの人一倍「平和」を愛する理念を、箏を通じて伝えたい、という気持ちが籠ったこの演奏会で、エルキン氏ももちろんそういう敦子さんに共感すればこそ、共演の話がまとまったのであろうし、結局ルーツは別々でも、音楽は世界の共通語ともいわれるように、以心伝心、何度もデュエットをしているように息の合った演奏を聴かせて貰えるのであろう。

 宮城道雄氏の「春の海」では、敦子さんの手がするするっと滑るように動いているように見えても、どれほど筋肉に渾身の神経と力を込めて弾じているか、それは非常な重労働であるにもかかわらず、観客の目にはすいすいと水面を滑る白鳥のようでなくてはならない。

 そう言うことを思いめぐらしながら聴いていると、否応なく人生の紆余曲折あれこれも浮かんで来て、ついつい聴き入るうちに不覚にも涙ぐんでしまったりもした。


dhuo  
箏とバイオリン、息の合った演奏に2つの楽器だと言うことを忘れます。

solo  
美しく静謐な春の海、会場も水を打ったように静かに聴き入っています。

duo  
静かな中にも、古今の名曲に、研ぎ澄まされたアーチストの全神経が注がれます。

intermission  
次の曲のために、琴柱を動かし音階の調節をします。時に時間がかかり、
「皆様、ご辛抱をさせて申し訳ありません。日本では何事も辛抱強さが
必要です」とトルコ語で観客の皆さんに語りかけ、笑いを誘う敦子さん。



 お2人のコンサートは8曲、合奏のほか、ソロのパートも1曲ずつあり、時間にして40分近く続き、感激の嵐のような拍手のうちに終わりを告げた。お2人は一度舞台の袖に入ったものの、いつまでも鳴りやまない拍手にこたえて、カーテンコールで再び舞台に出て来てくれた。

 ロータリー・クラブの会長、ハサンさんの挨拶のあと、記念撮影なども行われて、やがて観客がいっせいに立ち上がったので、出口が大混雑、もう9時半を過ぎているので、ジェンネットさんと一緒にタクシーで帰ろう、ということになり、通るタクシーがどれもこれもみんな乗客がいて空車は20分近く待ってようやく拾うことが出来た。

Cennet  
アカトラル文化センターの出口はまだ大混雑、立ち去り難い人も沢山
いるようです。名残惜しいけどまた会う日まで。ジェンネットさんと。


 彼女の家のあるオルタキョイから回って貰ったら、降り際にジェンネットさんは20リラ札を出して「加瀬さん、これより超えた分だけ払って」と運転手に20リラを渡そうとした。
「あっ、いいから、いいから」とそれを返そうとしたが、後続車にクラクションを激しく鳴らされたので貰っておくことにした。


 家に戻ると、猫達が勘違いして、夕飯の缶詰を食べさせてから出て行ったのに、私が外から帰宅したのでまた夕飯を貰える、と思ったのか、ワイワイ言いながら台所に集合して切ない声を上げるので、ついまた缶詰を1つ、与えてしまった。

 猫に食べさせてから、ジェンネットさんにお礼のメッセージを書こうとパソコンを開けたら、もう彼女からさっき文化センターの玄関前や休憩の時に写したスナップ写真を送ってくれてあった。

 ジェンネットさんはコンサートの休憩時間に話をしていたとき、実家がコンヤで、メヴラーナ博物館にも近いので、今度コンヤに行く時は、ぜひうちに泊まって妹とも知り合って下さいな、と言ってくれた。

 彼女は私の20年以上前からの友人、寿司職人のミッちゃんことイマタ・ミツルさんの奥さんであり、詩を書いたり頼まれて花嫁さんのメーキャップを引き受けたり、感性豊かな素敵な女性で、久々に会えて本当によかった。近々、詩集を出版する予定だと言う。

 末冨敦子さんが、コンサートを終わったばかりでお疲れのところ、私にメッセージを送ってくれた。私も思いがけず和美さんからのお招きでコンサートを聴かせて貰えることになったのを、既に敦子さんにも知らせていたので、直接お会い出来なくても、舞台を拝見して十分楽しませていただき、大満足で帰って来ました、敦子さんや和美さんのおかげです、とお礼の言葉で結んだ。

 また寝るのが午前0時を回ってしまったが、横になってもまだ耳の奥にコンサートの余韻が残っているような気がして、シワスの行事がキャンセルになってよかった、と本気で思った。







   かに座さそり座いて座
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madamkaseのトルコ本 「犬と三日月 イスタンブールの7年」(新宿書房)




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Last updated  2017年05月25日 20時16分05秒
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