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カテゴリ:陸上自衛隊と自殺とPTSD
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この本の22ページの後半以降から、パワハラのケースが述べられている。 26ページの中間までの間に、 海上自衛隊の女性自衛官WAVEであるI1尉のパワハラの例が書かれている。 「自分の気に入らない隊員は強制的に配置換えや転勤を強要させたり、離婚させようとしたり」 「なかには精神的に病んでしまった人もいます。」 「とにかくヒステリーおばさんで有名」 「彼女はいわゆるB幹と呼ばれる、別にとりわけエリートでもない女性」 「他基地に電話をして気に入らない隊員のゴシップを拾い集め、面接の際に言われます。」 ↑最低な人間だ。 (「B幹」とはB幹部といって高卒・中卒で入隊し曹という階級層を経験したのちに試験を受けて幹部自衛官に任官した者のことである。一方、防衛大・一般大学・大学院を卒業して入隊し、入隊後に幹部候補生学校に入隊して幹部自衛官に任官した者をA幹部といって、区別して人事管理されている。昇任していくスピードが全く違う。このことについては後日、ブログで述べたいと思う。) 27ページの前半に 『「服務指導」と称してあたかも関与できる(許可と勘違いしている幹部もいる)かのように思っているふしがある。』 とあるが… はっきり言うが、 『「服務指導」としてならばプライベートに踏み込んで指導できる。』 と全員が共通認識として持っている。 27ページのように『…かのように思っているふしがある。』ではない。 だから、I1尉のような最低な上司が誕生することになる では、なぜ『プライベートに踏み込んで指導できる。』と認識してしまうのかを、私の過去の経験を踏まえて解説してみよう 「自衛隊という組織は人を殺してはいけないという最高の道徳律を破ってもいいという組織で、自衛官は人を殺めるという事を含んで最も合理的に与えられた目的を達成することが基本的役割の人間である。」 「与えられた任務や自ら設定した目標達成のために、部隊の態勢を整え、そのために準備し、訓練等に汗を流し、戦場に臨み、任務(目標)を達成しなければならない。」 という事を、自衛隊の指揮官は常に考えているハズ これを「統率」という。 幹部自衛官になれば、陸上自衛隊であれば幹部上級課程という約半年間の教育を必ず受けなければならないのだが、その教育中で僅かながらだが、「統率」という教育を受ける。 また、陸上自衛隊の自衛官の場合、 幹部特修課程(FOC)や指揮幕僚課程(CGS)という試験を受けて選抜された者だけが入校できる教育では、 将来、指揮官職につく者を育成することが前提なので、この「統率」について今までの経験や統率に関する一例(戦史上の人物など)を踏まえてプレゼンを作成して発表するなどの課題をこなすことによって、自ら考えるということを主体に教育をみっちり受ける。 幹部自衛官は、この様な教育が染みついているので、 自衛隊という特殊な性質の「務め」に「服する」ことのできる隊員を各教育課程で入校中だけではなくて 日々、一般の部隊における業務や訓練を通じて、育成しなければならないと考えている。 その方法は「自衛官は朝、目が覚めてから、夜に寝床について寝るまでの間は、精強な自衛官となるために自ら鍛錬しなければならない。」 だから、 「プライベートにでも踏み込んで、態度や立ち居振る舞いを指導して隊員個人を指導する。」 という考え方に行き着くのである 服務とは、その文字の通り「務め」に「服する」ことである。 「服務指導」とは、この本ではいきなり登場するが、 「陸上自衛隊服務規則」「海上自衛隊服務規則」「海上自衛隊服務規則」などという服務関連規則に基づいて、隊員を務めに服するように指導することだ その服務関連規則は何も秘密文書ではない 服務とか規則、自衛隊のキーワードでググってみると誰でもその中身を閲覧できる その為には、 各部隊の実情を考慮し、この規則類を解釈して、必要な指導をしなければならないのだが、 本に登場するI1尉のような、 幹部自衛官としての資質、能力や常識を持っていない、動物レベルの本能でしか判断できない本能の赴くまま指導という名の文言を口にするだけで、部下隊員が納得できるできるような指導ができない上司が、 部隊に配置されると、その結果、必然的にパワハラとなるのである。 元・高卒陸上自衛官のまいものあるじが購入したもの、欲しいもの、お気に入りのものを集めています。 ↓よろしければ覗いてみてください。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2024.04.20 20:39:00
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