|
カテゴリ:陸上自衛隊と自殺とPTSD
この本の133ページの中間付近に『自衛官だけに課せられた賭命義務』とあるので、ご覧になっていただきたい。
また、『警察官などと自衛官が根本的に異なるのは、自衛官が日本で唯一、「命を賭ける義務」(賭命義務という)を任務として与えられている組織だということだ。仕事で「命まで賭けなければならない職業」、これが自衛隊だ。このことは実際、社会的にはあまり知られていない。知られていないからこそ、気楽に青年たちは入隊を志願してくるかもしれない。』 とある。 私の経験上、この赤太字の部分である『賭命義務』という呼び方は、初めて聞いた。 現場の自衛官は、『賭命義務』という呼び方はしていないのではないだろうか 確かに、『命を賭けなければならない仕事』という言い方はした。 私の先輩や上司の中には、自衛隊は「命を賭けてやれる仕事」なんだと誇らしげに言っていた方もいた それを聞いた当時の私は、「何を言ってんだっ」「俺はヤダねっ」と心の中でそう思っていたが… それでは、警察と消防の宣誓はどうなっているのか ご存じだろうか 見比べて見ると ・警察庁職員の服務の宣誓 警察職員の服務の宣誓に関する規則(昭和29年7月1日国家公安委員会規則第7号) 『私は、日本国憲法 及び法律を忠実に擁護し、命令を遵守し、警察職務に優先してその規律に従うべきことを要求する団体又は組織に加入せず、何ものにもとらわれず、何ものをも恐れず、何ものをも憎まず、良心のみに従い、不偏不党且つ公平中正に警察職務の遂行に当ることを固く誓います。』 ・消防職員の服務の宣誓 消防職員宣誓規程(昭和57年10月1日消防規程第1号) 『私は、日本国憲法及び法律を尊重し、命令、条例、規則及び規定を忠実に遵守し、消防の目的及び任務を深く自覚し、その規約が消防職務に優先して従うことを要求する団体又は組織に加入せず、全体の奉仕者として誠実かつ公正に消防職務の遂行にあたることを固く誓います。』 上を見比べるとお分かりになると思うが、警察も消防も共通して『職務の遂行にあたることを固く誓います。』となっている。 警察官は消防職員と異なる点として武器の携行、使用を認められていることから、 『何ものにもとらわれず、何ものをも恐れず、何ものをも憎まず、良心のみに従い、』という部分が明記されているのだろうと推測される。 では、自衛隊員の宣誓は、 ・自衛隊員の服務の宣誓 自衛隊法施行規則(昭和29年6月30日総理府令第40号) 『私は、わが国の平和と独立を守る自衛隊の使命を自覚し、日本国憲法及び法令を遵守し、一致団結、厳正な規律を保持し、常に徳操を養い、人格を尊重し、心身を鍛え、技能を磨き、政治的活動に関与せず、強い責任感をもつて専心職務の遂行にあたり、事に臨んでは危険を顧みず、身をもつて責務の完遂に務め、もつて国民の負託にこたえることを誓います。』 上記の赤太字の部分を、この本では『賭命義務』だと言っているのだろう。 自衛隊員の宣誓をご覧になっていただくとお分かりになると思うが、 どこにも『命を賭けなければならない』とか『命を賭けて職務に~』という書き方はしていない。 『事に臨んでは危険を顧みず、身をもつて責務の完遂に務め、』を解釈すると、「命を賭けて職務に専念しなければならない」ものなんだということなのだ。 数多くある自衛隊関連ブログの中から ご覧頂き、ありがとうございます。 ランキングに参加しておりますので ご覧の際には、是非ポチりいただきまして 応援をお願い致します。 ブログ更新の励みになっております。 にほんブログ村 元・高卒陸上自衛官のまいものあるじが購入したもの、欲しいもの、お気に入りのものを集めています。 ↓よろしければ覗いてみてください。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2023.11.12 16:05:15
コメント(0) | コメントを書く
[陸上自衛隊と自殺とPTSD] カテゴリの最新記事
|