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カテゴリ:音楽の話
患者さんのところで、映画の話をしていました。
「DVDを借りたいの。どんな映画が面白いかしらね?」 と患者さんの奥様に聞かれたので、 「私は戦場のピアニストが好きですけど・・ちょっと暗いかなあ~~」 そんな会話から、おもいがけず、患者さんの戦争中の話に。 「シベリアに抑留されていた時のこと。ドイツの兵隊も捕虜になっていて、そのドイツ兵が手招きするので、鉄条網ごしに近づいてみると、捕虜の兵隊の中で、だれかがバイオリンを弾いていた。そのバイオリンをみんなで聴いていた。」 「スラブの人たちも強制労働にきていた。女性の働き手の人たちが作業をしているときに、 だれかが歌い出すと、みんながその声にあわせて、一緒に歌う。その素晴らしい声のハーモニーに感動した。その声は今でも忘れられない。」 「日本ではこんなことは考えられない。文化の違いを感じた。」 とそんなお話でした。 どんな状況下でも、音楽とともにある。その音楽を楽しむ心の余裕があったり、また、辛いからこそ音楽に癒されることを知っている。 そんな患者さんの体験を伺って、 戦場のピアニストの映像が脳裏に思い出されました。 黒人の霊歌やブルースも、奴隷としての辛い状況の中で 心をなくさないために、歌っていたのでしょうか。 悲しい時や辛い時 うれしい時 人は歌わずにはいられない。 歌えないほど辛いときにこそ、 音楽の力を 感じることが必要なのだと 音楽には、凄い力があるのだと いまさらながら そんなことを、感じたりしました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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